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全日空の国際線概況、中国が引き続き苦戦も欧米は好調

  • 2013年5月23日

 全日空(NH)取締役執行役員の福田哲郎氏は5月23日の定例会見で国際線の利用状況について説明し、中国路線が尖閣問題などの影響で苦戦する一方、欧米路線は好調に推移していると語った。

 4月は座席供給量を前年比1.4%減としたのに対し旅客数は10.7%減で利用率は4.3ポイント減の66.8%。中国線では旅客数が21%減となっているという。ただし、「業務渡航は引き続き前年を超える水準」で、主にレジャー需要が足を引っ張っている状況。中国からの訪日需要については、上海など一部の都市で緩やかな回復基調が出ているという。

 北米と欧州、リゾートの各路線は「北米、欧州、リゾート路線はビジネスクラスを中心に好調に推移し、前年を上回った」。北米は座席数が16%増としたところ旅客数は6%減で利用率は72%、欧州は座席数1%増に対して旅客数が5%増となり、利用率は70%となった。

 このうち欧州線では、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)とのジョイントベンチャーに4月1日からオーストリア航空(OS)とスイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)が参加した結果、「ネットワークと運賃の利便性が高まり、成田と羽田発着のフランクフルト線、成田/ミュンヘン線を中心に好調に推移した」という。

 なお、5月については全体で座席数が1%減、旅客数が13%減の見通し。中国の低迷と欧米の堅調ないし好調な推移は4月と変わらず、中国線は座席数97%、旅客数76%、利用率55%と見込んでいる。

 ただし、中国/北米間は好調といい、特に昨年の成田/ニューヨーク線のダブルデイリー化により需要が拡大しているため、「日本発のレジャーが低迷する中で、三国間流動を含めて販売の強化をしていく」方針だ。