アクセスランキング、1位はDL日本支社長、AAとUS合併も

[総評] 今週は、デルタ航空(DL)日本支社長である森本大氏のインタビューが1位になりました。DLは、日本と最もつながりの深い外国である米国に日系航空会社よりも多い週120便を運航しており、日本支社長のインタビューというだけで常に高いアクセス数となりますが、ノースウエスト航空時代の目代純氏以来の日本人支社長ということで、自ずからより多くの方のご興味をひいたのかもしれません。

 森本氏は、クラブメッド代表取締役社長や日本コカ・コーラ副社長などを経験されており、旅行会社と一般企業の経営を理解された上で航空会社の日本支社長に就任されたという点でとても稀有な方です。インタビュー中でも触れられていますが、日本コカ・コーラ時代にはDLでアトランタに出張されていたそうで、その意味では一般の航空機利用者としての感覚も十分に備えられているといえます。

 今回のインタビューで個人的に最も印象に残ったのは、旅行会社との協力に向けた非常に前向きなご発言でした。航空会社の方とのインタビューで旅行会社との関係について聞くと、ほとんど必ず重要とのお返事があるのですが、そのご説明が判で押したように似通ったもの、あるいは教科書的、玉虫色のものであるケースがままあります。

 森本氏のご発言の詳細は記事をご覧いただければと思いますが、旅行・航空業界を様々な角度でご覧になってきたお立場であるにもかかわらず、旅行会社に対する強い期待と具体的な協力のアイディアが示されることは、旅行会社にとって勇気付けられることですし、大きなコミットメントと感じられました。

 さて、今週はこのほか航空関連で大きなニュースがいくつかランクインしましています。まず5位はアメリカン航空(AA)とUSエアウェイズ(US)の合併計画で、8月末に交渉入りを発表していたこととはいえ、旅客輸送実績で世界最大ということでやはり衝撃的なニュースといえるでしょう。

 USは日本ではオフラインですから、DLとノースウエスト航空、ユナイテッド航空(UA)とコンチネンタル航空の時のような目に見える変化は少ないかもしれませんが、例えばAAと太平洋路線ジョイントベンチャーを展開するJLにも影響があるでしょうし、そうなれば旅行会社との契約などにも変化が生じると予想されます。

 また、8位にはハワイアン航空(HA)による仙台/ホノルル線の就航についての記事が入っています。DL森本氏も話されていましたが、リゾートのデスティネーションは座席供給量の増加が需要を生む傾向が強いですから、ハワイにとってはまさに待望のニュースでしょう。仙台からのリゾート路線というとUAのグアム線がありますが、需要を奪い合うようなことにならず、市場全体が拡大するよう旅行会社としても工夫したいものです。

 このほか、日系航空会社2社のB787関連の記事も2位にランクインしていますが、こちらは悪い意味での影響が懸念されます。旅行会社の中には上期は飛ばないことを想定して動こうとする会社もあるようですし、路線と便数の変更によって契約をし直さなければならない可能性や、チャーター事業への影響もあるでしょう。

 いうまでもなく航空輸送にとって安全は大前提ですし、当局も航空会社も完全に不安を払拭できる状態にならなければ運航再開という判断にはいたらないと思いますが、なんとかそういったプロセスが早期に終わり、当初計画通りの路線展開に戻って欲しいと願うばかりです。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年2月第3週:2月10日0時~2月15日18時)
第1位
トップインタビュー:デルタ航空日本支社長 森本大氏(13/02/12)

第2位
日本航空も3月B787運休、サンディエゴ線デイリー化見合わせ(13/02/12)
B787の運休、全日空は3月分まで発表-日本航空は2月末まで(13/02/10)

第3位
主要58社、12年の海外旅行取扱額は8.6%増-総合で阪急2位に(13/02/13)

第4位
エアアジア・ジャパン、中部発国際線に意欲-拠点化は4月以降めどに(13/02/10)

第5位
アメリカン航空とUSエアが合併へ、ワンワールド加盟(13/02/15)

第6位
日独航空協議が開催へ、羽田昼間枠や成田自由化など交渉(13/02/12)

第7位
旅行業倒産件数、1月は3件、震災関連倒産も-宿泊業は5件(13/02/10)

第8位
ハワイアン航空、仙台/ホノルル線就航へ、6月から週3便(13/02/14)

第9位
スカイチーム、成田で優先レーン、「SkyPriority」一環で(13/02/13)

第10位
ヴァージン・オーストラリア、日豪線でコードシェア運航へ(13/02/10)