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インタビュー:BA日本・韓国地区支社長のビシャール・シンハ氏

アジア路線の拡充重視
羽田の昼間は「可能性探る」

-BAの全社的な経営戦略について現状をお教えください

シンハ BAの経営体質は過去25年間ほどリストラなどの取り組みを進めてきた結果、非常に強固となった。今後5年間で、BAは50億英ポンドを投じて機材やプロダクト改善に取り組んでいく。

 また、bmiブリティッシュ・ミッドランド航空(BD)も買収したことで、より多くの発着枠を使用できるようになり、路線網の拡張も可能となった。この一例がソウル線の就航だ。IAGはアジア路線の拡充を非常に重視しており、昨年に羽田、今年はソウル、来年はコロンボと続く予定だ。


-日本市場の今後の見通しはいかがでしょうか

シンハ ダイヤモンド・ジュビリーとオリンピックの効果で、日本人を含む多くの方が英国を訪れた。またオリンピックについては、オリンピックに限らず大きなスポーツイベントに共通していえることだが、開催国への興味、関心を喚起できた。すでに需要の伸びが数字に表れており、(今後の需要喚起に向けて)英国政府観光庁とともにキャンペーンも開始した。

 今後の見通しという意味では、以上のような状況もあり、非常にポジティブに考えている。レジャーだけでなくビジネスについても、例えば日立が英国の原子力開発企業を買収したニュースがあったが、こうした動きが需要を引き上げていくと期待している。


-2014年には羽田空港の昼間時間帯にも就航できるようになりますが、可能性はあるでしょうか

シンハ もともと、BAは羽田をレジャー、ビジネスともに非常に利便性の高い空港と捉えており、そのため昨年、深夜早朝枠を使って就航した。ジョイントベンチャーの枠組みの中でも、日本国内へのハブ空港として重要な役割を果たしている。現時点で、欧州系の航空会社で唯一羽田空港に自社便を運航できていることを嬉しく思う。

 ただ、昼間時間帯の発着枠については、現状では何も決まっておらず、今後可能性を探っていく考えだ。ヒースロー空港の発着枠を何時頃に確保できるのかにもよる。

 現時点で、羽田発の早朝便と成田発の午後便という組み合わせはお客様に選択肢をご提供できている。これに対して、羽田と成田で昼間に同じような時間で飛ぶとすると、この利便性は実現できない。現在の早朝便についてはお客様からも良い評価をいただいており、BAとしても満足している。


-日本で新たな路線開設はあり得るでしょうか

シンハ 路線展開はすべてIAGによって決められることだが、一ついえることとして、ジョイントベンチャーの枠組みが、東京以外の都市にも飛びやすい環境を与えてくれることは確かだ。自社のみでは座席を埋めきれない路線でも、JLとのJVがあれば、2社の販売力を計算に入れられることなどから、就航の検討対象となる可能性はある。