現地レポート:グアム、MICE誘致を強化-2013年の大型施設開業を控え

  • 2012年8月28日

100万人達成へ、MICEデスティネーションをアピール
~GVBスタディ・ツアーに87人が参加~

小団体も漏れなく取り込み
駆け込み需要にも期待

ハイアットリージェンシーグアムでは、ビーチに面したオープンエアのカバナでのMICEも提案  GVBは企業のMICEだけでなく、ウエディング、教育旅行、スポーツ団体といった、様々な団体にも期待を寄せる。前述のGVBのプレゼンテーションでは、GVB日本代表の光森裕二氏から、海外ウエディングの中でグアムのマーケットシェアが約40%で、平均同行者は15名というデータも紹介された。2011年の日本の婚姻数は67万7000組で、そのうち約4割は挙式していない。家族旅行を兼ねて子連れの海外ウエディングという需要もあると、きめ細かいセールスポイントの提案もあった。

フィエスタ・リゾート・グアムのボールルームは海に面していて、カーテンを開けるとビーチと海を一望できる  さらに光森氏は、「2013年は駆け込み需要を見込んでいる」という。消費税増税法の成立で、2014年の消費税値上げ前に需要が見込めるというのだ。円高ドル安が追い風となっているグアムだが、大方の予想は、消費税値上げ後は円安ドル高になるというもの。割安感のあるうちにと、2013年、2014年の駆け込み需要が期待できるとしている。

 

日本10都市からグアムへ
週70便飛ぶユナイテッド航空

グアムを基点としたリゾート路線も充実している  ユナイテッド航空(UA)は、2010年にコンチネンタル航空(CO)と対等合併して世界最大級の航空会社となった。成田、グアムをはじめとして、世界10ヶ所にハブ空港をもち、377空港に毎日5500便以上を運航している。日本各地からグアムまでは週約70便を運航。2011年下期の日本/グアム間の全路線に占める割合は55%に及んだ。2012年下期には仙台線の週2便から4便への増便も決定している。

機内食は日本とグアムの機内食工場で調理。日本人の好みに合ったメニューとなっている  UAの日本/グアム線の就航都市は札幌、新潟、仙台、東京、名古屋、大阪、岡山、広島、福岡、沖縄の10都市で、日本全国から様々な日程のツアーを組むことができる。そのネットワークをいかして日本各地から出発し、グアムでの現地集合・解散が容易なため、全国に支店がある企業のインセンティブツアーや、各地から友人、親戚が集まる海外挙式などにも対応が可能だ。

 また、全便にビジネスクラスの設定があり、リーズナブルな追加料金で利用が可能。専用チェックインカウンターの利用、優先搭乗、手荷物優先サービス、グアムでの優先セキュリティチェック、空港ラウンジ「ユナイテッドクラブ」の利用、最大175%のフライトマイル加算といった特典がある。成田空港の「ユナイテッドクラブ」は400人が利用可能という規模だ。ハネムーンやシニアのグループツアー、企業の上級職を含むMICEなども組みやすい。通常よりもシートピッチが広いユナイテッドエコノミープラスシートも、日本/グアム路線に順次導入されている。

 

取材協力:グアム政府観光局、ユナイテッド航空
取材・文:たかせ藍沙