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インタビュー:JTB中部 海外旅行仕入販売部仕入計画課長の大野真氏

  • 2012年4月23日

中部地域全体の需要の底上げはかる
中部国際空港の近距離線増便のチャンスを活用

-中部国際空港の12年度上期はアジア路線を中心に便数が増加しましたね

 定期便をしっかり販売していくことが路線の維持に繋がり、人の流れを生むことになる。この流れを作ることが旅行会社の役割だと思う。JTB中部では座席供給量が拡大するこのチャンスを活かし、販売していきたいと考えている。

 今年の中部国際空港発着路線は7Cの仁川線就航に加え、KEやアシアナ航空(OZ)の機材大型化もあり、韓国への供給が大きく伸びた。韓国はもともと需要が高く、パッケージでは11年度下期にJTB中部として過去最高の取扱人数を記録し、通期で6万人に迫る勢いだった。12年度も引き続き高い需要が見込まれる。

 今回の中部国際空港の増便は、午前中韓国発、午後に韓国に帰国するインバウンドに適した「逆便」が増えた。「逆便」は、滞在時間が短くなり、初めての韓国のお客様のニーズにはマッチしにくいが、例えば、金曜日午後半休を取って出発し、週末の滞在で買い物を楽しんだ後、週明けに早朝便で日本に帰国し午後から出社するなど、手軽に韓国旅行を楽しむリピーター需要を取り込めるのではないかと考えている。販売単価が安いため利益はほとんどないが、路線維持の観点から、しっかり販売し、取扱拡大をめざしたい。


-JTB中部の方針を教えてください

 JTB中部は中部地域の旅行会社のリーディングカンパニーとして、海外旅行需要を活性化するという役割を果たさなければならないという考えを持っている。中部地域内の海外旅行者数を全国平均以上にしていくことが重要なミッションだと思う。

 そのためには旅行商品の販売だけではなく、デスティネーションの開発やプロモーションが重要で、JTB中部ではそうした活動を積極的に実施していく方針だ。例えばシンガポールは携帯会社のCMで注目が高まった結果、旅行需要が急増した。本来こうした仕事は旅行会社や政府観光局、航空会社が連携して実施すべきことだと思う。

 また、中部国際空港発着だけでなく、地方空港発着便の取扱も拡大していきたい。現在、地域活性化の観点からもチャーターを積極的に活用する方針で動いている。8月にKEで静岡/ホノルル間の第3国チャーターを実施するほか、弊社としても2013年度のゴールデンウィークまでには、昨年震災の影響で中止になってしまったバンコクとの2ウェイチャーターに再チャレンジしたいと考えている。