ボリビアの渡航情報、パンド県、スクレ市「解除」-ベニ県は「十分注意」に

  • 2012年4月8日

 外務省は4月6日、ボリビアの渡航情報の変更を実施した。パンド県、スクレ市については発出していた「十分注意して下さい」を解除。一方、ベニ県については新たに「十分注意して下さい」を発出した。ラパス市、エルアルト市、コパカバーナ村、サンタクルス市およびポトシ市については「十分注意して下さい」を継続する。

 パンド県については、2008年9月に与党支持団体と反政府派団体との衝突で死者が出たため危険情報を発出していたが、現在は状況が沈静化したことから解除。スクレ市についても、2007年11月の暴動で多数の死傷者がでたが、現在は落ち着いており暴動発生の可能性はないと判断できることから解除した。

 一方、ベニ県はブラジルと国境を接していることから麻薬など密輸がおこなわれ、犯罪が多発しているため、渡航の際は十分注意が必要との考えから渡航情報を新たに発出した。2010年8月にはベニ県グアヤラメリンでフランス人旅行者が行方不明になり、後日死体で発見される事件が発生しており、容疑者は逮捕されたが捜査は進んでいない状況だという。

 さらに、外務省では旅行者に対し、ボリビアは観光インフラの整備が不十分で、ドライバーの交通法規順守やツアーガイドの育成、教育が徹底されていないため、交通事故が頻繁に発生するとして注意を呼びかけている。ウユニ塩湖でも、2008年5月に日本人を含む14人が死傷する交通事故が発生しているという。また、ウユニ塩湖内に給油所が無いため、観光用の車にガソリンを積載するケースや、調理用のガスボンベを積載することもあるため、交通事故が発生した場合被害が甚大になる可能性があると指摘。国内の移動やツアーに参加する場合は、安価な料金のバス会社、ツアー会社や夜間の利用を避け、信頼できる会社を選び日中に移動することを呼びかけている。

 さらに、ボリビアは交通事故による補償は期待できず、国内の医療設備も十分でないことから「十分な保証内容の海外旅行保険に加入しておくことを強くお勧めします」とした。たとえばウユニ塩湖では付近に設備の整った病院が無いことから、高山病が発症した際サンタクルス市まで航空機で緊急移送し、高額な移送費用や治療費を請求されたケースがあったという。