ホールセール特集(2):各社販売戦略、パンフレットに力点

  • 2012年2月29日

JTBWVは約4億円を投資、フレンドツアーはシナジー効果大

ルックJTBのパンフレット。表紙も刷新し、写真を小さくして色を全面に押し出すことで、市場での浸透度の進化をはかる  販売に重要なパンフレット制作だが、コスト削減はホールセラーにとって大きな課題のひとつ。その対応や考え方は各社さまざまだ。JTBWVでは「コストというよりも、プレゼンテーション能力を上げるための投資」(太田氏)という考え方だ。投資額は約4億円にのぼるが、今後、新たなフォーマットを作り直さず、情報の更新だけで済むようなレイアウトにしたため、長期的にはコスト削減効果が期待できるとしている。パンフレットのボリュームは航空会社の影響によって方面で異なるものの、部数については前年度と変わりはないという。

 「制作のコストは増えたが、決して安売りで勝負しようという気はない」と話すのはKNTの田口氏。インターネット興隆の現在、パンフレットを刷新し、販売店やホールセラーのあり方をもう一度見直していくべきというのがKNTのスタンスだ。期首商品の数は前年同期の約2倍に増加したため、パンフレットの種類も増えた。さらに、文字サイズを大きくしたために、1ページに掲載される情報量は減り、必然的にページ数が増えることにもなった。しかし、販売店舗数が減少するなか、各パンフレットの刷部数も縮小していることから、「発送費と制作コストが相殺される可能性もある」との見方も示す。

フレンドツアーのパンフレット。表紙に赤で「燃油サーチャージ込み」の文字  一方、阪神航空フレンドツアーでは、阪急交通社との統合によって印刷会社も統一したことで制作コストのカットに成功。「シナジー効果は大きい」(川上氏)と手応えを感じている。部数については、直販は変わらないものの、販売店向けには増えているという。これも統合効果により、阪急のトラピックスやクリスタルハートで付き合いのあった販売店でもフレンドツアーのパンフレットを置いてもらえるようになったためだ。