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震災後の訪日外客、総消費額が46%減-ツアー、航空代金も下落

  • 2011年9月13日

 観光庁が実施した2011年4月から6月の訪日外国人消費動向調査によると、期間中の旅行消費額全体が前年比46.9%減の約1208億円と大幅に減少した。1人当たりの総支出額も3.7%減の19万6430円となった。ただし、1人当たりの旅行中支出額は6.8%増の11万1128円。一昨年との比較でも1.9%減の微減で、ほぼ同水準で推移している。客層別では観光・レジャー目的の訪日客は66.1%減の44.3万人と大幅に減少し、全訪日客に占める割合でも、前年の60%より19ポイント少ないの41%と半数を割った。特に東北エリアは26ポイント減の10%、関東エリアは20ポイント減の35%となっており、東日本大震災後の影響がうかがえる結果となった。


日本での購買項目に変化
食品関係は敬遠傾向に

 調査は5月21日から6月29日の期間、日本に居住していない日本を出国する訪日外国人を対象に、全国の主要空海港で実施した。有効サンプル数は6886。

 期間中の訪日客数は51.3%減の108万7000人と半減し、このうちビジネス客は40万9000人。前年より25.4%減となったが、観光客よりも減少幅は少なかった。一方、1人当たりの旅行中支出を訪問目的で見ると、観光・レジャーは1.5%増の8万8377円と前年並みに購買意欲が持続しているのに対し、ビジネス客は8.5%減の12万1733円と減少している。

 買物の項目別では軒並み消費額が前年の5割以下。特に菓子類が59.7%減、その他食品類・飲料・酒・たばこ(その他食料品)が48.5%減、化粧品・医薬品・トイレタリーが62.8%減と大きく減少している。しかし、マンガ・DVD・アニメ関連商品(マンガ関連商品)は15.0%減にとどまっており、ビジネス客に限っては44.2%増となっている。

 マンガ関連商品の購入単価も57.2%増の1万1661円と増加。菓子類やその他食品と比較すると、昨年はマンガ関連商品が7420円、菓子類が9251円、その他食料品は1万2662円であったが、今年は菓子類が8260円、その他食料品が1万1390円で、マンガ関連商品が上回っている。飲食料品や化粧品・衣料品などが振るわない中、訪日客向けの旅程に日本のキラーコンテンツであるマンガ・アニメ関連をうまく取り入れていくことも重要になるだろう。