観光庁長官、インバウンド回復には日本の元気発信が重要−今後の方向性示す

  • 2011年4月27日
 観光庁長官の溝畑宏氏は、全国旅行業協会(ANTA)が開催した第8回国内観光活性化フォーラムで登壇し、「インバウンドの回復には日本が元気になって、世界にアピールすることが何よりも大切である」と語った。

 溝畑氏は先日、中国と韓国へ出張し、地震や原発問題、計画停電について正確な情報伝達と、安心・安全のイメージ回復に努めた。しかし「観光は元気で夢があるところに行くもの」であるため、「海外が最も重んじたのは、日本に元気がないこと」だったという。
 
 そこでまず、日本人が旅行に出かけるよう、積極的に運動を展開する。特にゴールデンウィークの旅行を推進することで、日本人の旅行が戻ったことを印象付けたい考えだ。すでに発表した4月から6月の「がんばろう!日本」キャンペーンと平行し、旅行で日本を活性化するためのキャンペーンやイベントも検討。その際「常に被災地や被災者を思いやることを忘れなければかまわない。非被災地はより積極的に活動してほしい」との考えを示す。

 さらに同時進行で、海外メディアを積極的に招聘するほか、例えばプロ野球のイ・スンヨプ選手など日本で活躍する外国人を起用して、各国へ訪日旅行をアピールする取り組みをしていく考え。「インバウンドの回復には時間がかかるが、それを早めるためにも国内旅行の活性化はもっと重要」とし、明るく元気に旅ができる雰囲気を作りのために、思い切った施策も考えているという。

 なお、7月以降は国内観光において、日本全体の出控えの解消や、電力需給逼迫対策の対策にもなりえる長期滞在などの新しい旅行形態の提示、旅行離れといわれる若者の旅行振興など、具体的な対象に資するツアーやイベントを実施していく。さらに夏期以降に、第2弾として追加実施も検討していく考えだ。


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