日本旅行、先行受注の拡大呼び掛け−ヨーロッパを重点地域に

  • 2011年2月18日
 日本旅行はこのほど、東日本地区の提携販売店を対象に2011年上期商品発表会を開催した。日本旅行東日本海外旅行商品部チーフマネージャーの永尾邦洋氏は座席の取りにくさが課題とし、「お客様にもメリットがあるように早期割引も設定している。ぜひ早く勧めてほしい」と先行受注の拡大を旅行会社に訴えた。

 永尾氏は「航空会社にとって、インターネットで直販した方が利益は高いという話もあり、座席が非常に取りにくくなっている」と指摘。加えて、ハワイやミクロネシアでは、日本航空(JL)の減便や機材小型化による座席供給量の減少で、座席が確保しにくいという。上期商品ではヨーロッパの商品に初めて早期申込割引を設定するなど、早期申込特典を強化し先行受注促進をはかる。また、日本旅行東京エージェント支店支店長の小川秀夫氏は、昨年4月から6月の第2四半期をみると、海外旅行の場合3月末までで約74%の受注があったことから「3月までにそこまでの先行受注をしていただければ、各店の第2四半期の目標達成になるのでは」と旅行会社に先行受注への取り組み強化を呼びかけた。

 また、永尾氏は「4月以降はまだ海外旅行に追い風が吹いている」とし、円高や羽田空港の国際化をプラス要因としてあげた。なかでも羽田発着商品の需要は高く、シンガポールや台北では成田発を上回る取扱いだという。一方、マイナス要因としては燃油サーチャージの高騰をあげた。同氏によると、今後長距離方面で最大で約2万8000円値上がりする可能性があり、燃油サーチャージが別立ての商品に大きな影響が出るという。日本旅行では燃油サーチャージ込みの料金表示を実施していることから、永尾氏は「燃油サーチャージ代が含まれる商品として、ホールセール商品をお客様に勧めてほしい」と旅行会社に訴えた。


▽重点方面はヨーロッパ、チャーター便の利用も

 2011年度の重点方面にはヨーロッパを設定。2011年から13年の3年にわたり、「もっと好きになる。ヨーロッパ」キャンペーンを実施し、ベストシーズンに焦点をあてた商品を展開する予定だ。2011年の上半期はフランスとスペインを重点国に設定。スペインではアルハンブラ宮殿の夕焼けや夜景鑑賞、フランスではラベンダー畑の訪問といった、その国ならではの風景にこだわったコースを設定したほか、キャンペーン独自の食事メニューも用意した。

 さらに、ヨーロッパツアー参加者を対象にフォトコンテストも実施。また、キャンペーンの特別商品として、JLが撤退して座席が減少したイタリアでメリディアーナ・フライ航空(IG)やハイフライ航空(5K)のチャーター利用商品も設定し、早期申込割引も実施する。

 なお、同社では2011年上期から、マッハ、ベストツアーに加え、今まで不定期だった「行っ得」シリーズを定期化し、価格訴求型の中押し商品として展開するほか、販売状況に応じて廉価型商品として「ザ・バーゲン(仮)」を設定しアジアを中心に展開していく考えだ。


※訂正案内(編集部 2011年2月18日 10時10分)
永尾邦洋氏のお名前に誤りがありました。お詫びするとともに修正いたします。