日本航空の更生計画、東京地裁が認可−10月は営業黒字178億円

  • 2010年12月1日
 日本航空(JL)、日本航空インターナショナル(JLI)、ジャルキャピタル(JLC)の更生計画が11月30日、東京地方裁判所から認可を受けた。これにより、JLIはJL、JLCを吸収合併し、その後JLIは100%減資する。JLIは、企業再生支援機構から3500億円の増資を受け、子会社のジャルウェイズ(JO)とJALグループの経理部門を担うジャルリーブルを吸収合併する。いずれも12月1日が効力発生日となる。JL社長の大西賢氏は、「更生計画を着実に実行することで早期再生を果たしていく」と話しており、JLIは2011年3月末までの更正手続終結をめざす。

 また、11月15日に発表した整理解雇実施の方針について、「変わりはない」とし、現在スト権を確立している客室乗務員らの労働組合「日本航空キャビンクルーユニオン」については、「真摯に協議したい」と述べる。JL会長の稲盛和夫氏も、「路線削減にともない、余剰する人員を減らしていくこととなる。たえがたいが、なんとしてもわかっていただいて実施していきたい」と理解を求めた。大西氏は整理解雇の実施時期については、「まだその段階ではない」との認識で、今後も引き続き希望退職を募っていく考えを示した。なお、JL法人管財人職務執行者企業再生支援機構企業再生支援委員長の瀬戸英雄氏によると、「ストが決行されても運航できないことはないと思う」と見ている。

 なお、国土交通大臣の馬渕澄夫氏はJLの更生計画認可に対しコメントを発表。年度末の更生手続早期終結に向けて、「人員削減の実行を含め、更生計画に定められた事業(中略)に真摯に取り組み、業績目標を着実に達成していただきたい」と述べた。


▽10月も黒字達成、10ヶ月連続

 JLIの10月の業績(速報値)は、営業収益が975億8100万円、営業損益が178億2300万円の黒字となった。これで、10ヶ月連続の黒字確保となった。また、JALグループの連結業績は、営業収益が1181億7600万円、営業損益が231億1200万円であった。