ドーチェスター、不況の今こそ投資−ホテルを改装、新ホテル2軒も開業

  • 2010年5月12日
 ドーチェスター・コレクションCOOのフランソワ・ドラエ氏とディレクター・オブ・セールスのポーラ・メルシエカ氏が来日し、今後の展開について説明した。

 ドラエ氏は、2015年までにグループホテルを計15軒から20軒のホテルに増加することが目標と説明。まずは2010年内に、イギリスに2軒の異なるタイプのホテルを開設する予定だ。9月には、ヒースロー空港から車で15分の距離のアスコットに「コワースパーク」を開業。カントリーハウス・スタイルのホテルで、乗馬センターやポロ競技場を備える。メルシエカ氏によると、ファミリー層をターゲットに子ども用コンシェルジェを配置するほか子供向けのイベントも実施するとともに、ロンドンのザ・ドーチェスターと組み合わせ、カントリーサイドと都市双方の滞在を楽しめるプランも設定するという。

 さらに、2010年末にはロンドンに「45パーク・レーン」をオープンする予定。全室からハイドパークを一望できる現代的なコンセプトのホテルで、ターゲットはドーチェスター・コレクションの常連客の子どもの世代。今までの「重厚、格式が高い」といったドーチェスターのイメージから、モダンでホテルにすることで若年層の取り込みをねらう。

 また、ドラエ氏は、「空室になっている部屋などを改装すれば、経済が回復したときに準備万端で客を迎えられる」とし、現在の景気や経済の低迷をチャンスととらえて積極的に投資を進める戦略を説明。たとえば、ホテル・プリンチペ・ディ・サヴォイアは3900万ユーロ(約45億7000万円)を投資し2009年秋にロビー、バー、スイートを改装。ロサンゼルスのホテル・ベル・エアも2011年のリニューアルオープンに向けて8000万米ドル(約74億円)をかけて改装中だという。

 現在の日本人のシェアは全ホテル合計で3%。今後のターゲットは「旅慣れたFIT層で、旅行に対する知識が豊富な洗練された旅行者」であることから、細やかなサービスやもてなしを提供するためスタッフを教育している。