観光庁長官が交代へ、後任はJリーグ大分前社長の溝畑氏−「本保氏に問題なし」

  • 2009年12月25日
 国土交通大臣の前原誠司氏は12月25日、観光庁長官の本保芳明氏が1月4日付けで退任し、後任にサッカーJリーグの大分トリニータを運営する大分フットボールクラブ前代表取締役の溝畑宏氏を任命する人事を発表した。同日の閣議で了解を得た。前原氏は、「本保長官の今までの働きぶりに対しては、心から敬意を申し上げたい」としつつ、「来年は有言実行の年。大分トリニータを観客3名の状態から平均2万名にまで引き上げた溝畑氏の実績は、本保長官のまいた種を大きく開花させる上で必要な人材であり経歴」と説明した。

 本保氏は、2007年7月に当時の国土交通省総合観光政策審議官に就任し、その後観光庁の初代長官として観光行政を指揮。これについて前原氏は、「2年半大変尽力してもらった。外客誘致、2000万人構想の前倒し計画の策定、2010年度の概算要求の大幅積み上げでの精査など、本当によく努力をしていただいた。本保長官の仕事ぶりに何ら瑕疵(かし)があったわけではない」と説明した。

 溝畑氏は1985年に自治省に入省し、1990年に大分県に出向した後、大分トリニータの立ち上げに尽力。「はじめはスポンサーもなかったところを自ら歩いてかき集め」(前原氏)、Jリーグ入りも果たしたが、今月にチームの経営難で引責辞任していた。観光庁長官の任期は2年で、前原氏は「2年間で結果を出してもらいたいとお願いしている」という。