航空業界、2010年の損失56億ドル−IATA調査、需要は回復も単価は伸び悩み

  • 2009年12月16日
 国際航空運送協会(IATA)によると、2010年の航空業界では56億米ドル(約4953億5000万円)の損失が発生する見込みだ。旅客需要は回復の傾向を示し、航空会社も燃油費以外のコストを前年比1.3%削減できる見通しであるものの、燃油費の上昇やイールドの低さから、利益は生み出せないとの分析。収益は4.9%増の5000億米ドルとなる見込みだが、旅客人数が2010年の予測値と同程度であった2007年と比較すると300億米ドルの減収となる。

 旅客需要は、2009年が4.1%減となる見通しであるのに対し、2010年は4.5%増となる予測。2009年9月時点での予測では3.2%増としており、合計で22億8000万人が航空会社を利用するという。一方、旅客事業のイールドは、座席供給量の増加と業務渡航予算の縮小から、回復しないとの予測だ。座席については、2010年に1300機が納入される予定で、全世界での座席供給量は2.8%増となるという。また、燃油は2009年が1バレルあたり61.8米ドルとなる見込みであるのに対し、2010年は75.0米ドルを予想している。

 なお、アジア太平洋地域の航空会社は、合計で7億米ドルの損失を予測。2009年は34億米ドルの損失となる見通しであることから、全世界で最も大きな改善傾向が認められるという。