サンライズツアー、10年は取扱人数30%増へ−価格、新ルート、ウェブ戦略で

  • 2009年10月7日
 JTBグローバルマーケティング&トラベル(JTBGMT)は10月7日、2010年分の訪日外国人旅行者向け「サンライズツアー」の商品を発売する。JTBGMTサンライズ事業部事業部長の五十嵐潤子氏は10月7日の商品発表会で、「2009年は非常に厳しい年」と説明。取扱人数は訪日外客数の推移とほぼ同期しており、通年では24.2%減の16万2000人を見込む。こうした現状に対して、2010年商品は円高による割高感を払拭するため、一部コースを大幅に値下げしたほか、地域の行政や団体と連携して新たな「ゴールデンルート」も模索。また、デジタルパンフレットを導入し、ウェブ販売を強化。これらの取り組みに加え、2010年がビジット・ジャパン・イヤーであることも追い風に、通年で2009年見込比30%増の21万人の取り扱いをめざす。

 値下げは、目下の円の対ドルレートが08年1月比で約20%増となっていることから実施。主力コースの富士箱根、京都を訪れるゴールデンルートコース「サンライズハイライト」、京都日帰りの「サンライズエキスプレス」、「高山コース」を最大で約3割値下げ。これは原価の見直しのほか、1月、2月、12月のオフシーズンの割引と3名一室利用割引を新設して実現した。3名1室利用割引を適用した場合、高山発の「高山・白川郷・金沢(3日間)」は28.9%値下げとなる。

 また、地域との協力による新ルートの開拓では、岡山・瀬戸内エリアと四国「にし阿波」エリアを設定したほか、立山黒部アルペンルートの内容も見直した。北海道や京都、岡山、沖縄など地方発着商品も充実。フリープランや着地型プランなども強化した。このほか、各地のサンライズツアーと空港からの送迎を組み合わせており、海外航空券とセットにすれば日本行きの周遊型パッケージツアーとして利用可能な「JAPAN TOUR PACKAGE」では、関空発着を追加したほか、付加価値向上をねらい、携帯電話の無料レンタルも開始する。

 ウェブ販売の強化では、デジタルパンフレットのシステムを構築。BtoB、BtoCともに対応可能としており、パンフレットの部数を2009年比で約4割減少できることから、環境への負担軽減の効果も見込む。季節方の商品や価格訴求型商品、SIT商品などもウェブで展開する予定で、特にSIT商品は市場性を判断する場として位置づける。


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