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08年度の宿泊旅行、実施数減少も費用増加−景気低迷の影響は小さいか

  • 2009年7月30日
 リクルートのじゃらんリサーチセンターが実施した「じゃらん宿泊旅行調査2009」によると、2008年度(08年4月〜09年3月)の全国の延べ国内旅行者数は前年比0.9%減の約1億7400万人となった。延べ宿泊数は1.2%減の約2億9000万泊で、宿泊旅行実施者の割合も0.7ポイント減の63.1%と減少傾向にある。主要客層である50代から70代の割合は54.0%と半数以上を占めた。ただし、同年代の女性の旅行者数は前年より1.4%減少しており、実施率では66.5%。70.3%であった05年以来、減少している。

 一方、旅行の費用は総額が約8.8兆円で、前年を1.5%上回った。1回の旅行費用も2.2%増の5万600円と4年ぶりに増加。項目別でも宿泊費、現地小遣い、パック旅行のいずれも増加している。費用を手配別の割合でみると、個人旅行が87.5%で、05年以来の増加。年代別では20代から40代の男性では9割以上が個人旅行を選択している。対してパッケージツアーは女性が強く、20代から40代でも12%程度を維持していた。パッケージツアーの利用割合が最も大きいのは、50歳から79歳の女性で17.1%であった。

 月別の旅行件数を見ると5月から7月、2月から3月は減少し、4月、8月から9月、11月から12月は増加。これらは例年からの傾向と同様の推移となっている。リーマン・ブラザーズの経営破たんを発端とする世界同時株安、円急騰以降の11月、12月も数を伸ばしており、同調査では国内宿泊旅行の需要に景気低迷の影響は小さかったと見ている。


▽都道府県別のランキング

 都道府県別の宿泊旅行者数では、1位が東京で1734万人(前年比2%減)、2位は北海道で1201万人(1.9%減)。前年から数を伸ばしたのは3位の静岡県の961万人(2.7%増)、6位の大阪府の744万人(3.5%増)、8位の千葉県の702万人(1.3%増)など。費用総額の1位は東京(1兆1763億円、前年比1.9%減)、2位は北海道(8525億円、1.3%減)で、3位の沖縄(5586億円、4.5%増)、5位の大阪府(4016億円、4.7%増)が大きく増額となったほか、4位の京都府(4464億円、2.5%増)も人数は2.6%減となったが費用は増加した。

 テーマ別の都道府県別魅力度ランキングでは、全7項目のうち5項目で沖縄県がトップになった。特に「魅力ある特産品や土産物」では2位に9ポイント差の68.9%、「地元の人のホスピタリティを感じた」では15.8ポイント差の56.4%の支持を集めた。また、「子どもが楽しめるスポットや施設」「若者が楽しめるスポットや施設」では、それぞれ千葉県が1位となった。

 なお、同調査は4月1日から15日にかけ、マクロミルの登録モニターの20歳から79歳の男女を対象に実施した。