JATA金井会長、明るい兆しを需要につなげる−09年度VWCは3ヶ国・地域追加へ

  • 2009年4月9日
 日本旅行業協会(JATA)会長の金井耿氏が4月8日の記者会見で、2009年度の方針を説明した。金井氏は、「全体の動向としては厳しい年度のスタート」と分析しつつ、「(4月以降の予約動向など)明るい兆しもあり、積極的に需要喚起に繋げていきたい」と強調。定額給付金や高速道路の値下げなど政府の取り組みもチャンスと捉え、旅行需要を拡大していきたい考えを示した。

 海外旅行については、2年目となるビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)を推進。重点デスティネーションには、3ヶ国・地域を追加する。具体的な国・地域は明かされていないが、4月10日に開催されるVWC2000万人推進特別委員会で正式決定する予定。決定すると、重点デスティネーションは現在の12ヶ国・地域から15ヶ国・地域に拡大する。

 国内旅行では、観光立国推進基本計画で掲げる国内宿泊数年間4泊と観光旅行消費額30兆円の目標達成に向け、「もう一泊、もう一度(ひとたび)」のキャンペーンを展開。訪日旅行については、「昨今の状況をふまえ、観光庁や日本政府観光局(JNTO)が検討している緊急対策に、できる限りの力添えをしていきたい」考えだ。


▽09年度は「現場」を巻き込む

 海外旅行では、在日外国政府観光局によるFAMツアーの活性化も進める。JATA事務局長の奥山隆哉氏によると、現場のスタッフを巻き込んで旅行業界を活性化するねらいだ。VWCでは、重点市場ごとに活動の進捗に差異があり、各市場特有の課題はあるものの、「市場の注意をひきつけるほどの工夫や知恵が足りなかった」可能性があると説明。特に「政府観光局や航空会社と連携し、ダイレクト・マーケティングのメッセージは多数出してきた」が、「旅行会社の現場を巻き込む方法」が十分ではなかったと分析し、この点を強化する方針を説明した。


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