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イタリア中部で地震が発生、日本からのツアーへの影響は軽微

  • 2009年4月8日
 在イタリア日本大使館によると、現地時間4月6日午前3時32分、イタリア中部アブルッツォ州でマグニチュード5.8の地震が発生した。現地時間午後3時時点の報道によると、死者92名、負傷者1500名以上の被害が出ているが、日本人のケガ人などの情報はないという。

 イタリア政府観光局(ENIT)によると、日本からの旅行者への影響は大きくないようだ。被害はアブルッツォ州の州都ラクイラ市とその周辺の町が深刻だが、ラクイラ市はローマの北東約100キロメートルの距離で、通常は日本からのツアーにはあまり組み込まれないエリア。ラクイラへの日本人訪問者数は2007年で年間253人という。また、主要観光都市間の移動ルートからも外れているため、ツアーへの影響は「ほとんどない状況」だ。

 ENIT担当者が4月7日午前中に旅行会社数社の状況を調査したところ、エイチ・アイ・エス(HIS)では問い合わせは多いものの、今のところキャンセルはないという。ツアーの参加予定者のほか、ツアーに参加している旅行者の家族からの問い合わせも多い。震源地がローマ市内から離れていることや移動ルートではないことを説明し、さらにHISローマ支店で撮影したローマ市内の動画を配信することで安心してもらえているという。

 ANAセールスでも現状ではキャンセルは入っていない。近日出発予定のツアーは4本、催行中のツアーは3本あり、HIS同様の問い合わせが入っている。阪神航空でも、催行中のツアーはなく、問い合わせもほとんどない状態だ。

 なお、ラクイラは、歴史的な建造物が残る中世からの街で、歴史ある教会などの見所があるが、今回の地震でこうした施設やホテルなどに被害が出ている模様だ。ただし、一部で報道されているローマのカラカラ浴場の損傷については、「揺れは観測されたものの、大きな被害はないようだ」という。