全日空、中間決算はホテル事業売却で過去最高益−旅行事業は増収も営利減

  • 2007年11月1日
 全日空(NH)の平成20年3月期中間決算(平成19年4月1日〜9月30日)は営業収入が前年比1.4%増の7632億7600万円、営業利益2.5%減の670億9000万円、経常利益2.1%減の567億7100万円、当期純利益は216.9%増の1055億100万円となった。ホテル事業の譲渡益を特別利益として計上、純利益は過去最高を記録している。このうち事業別の売上高、営業利益はそれぞれ、航空運送が5.8%増の6661億600万円、営業利益3.3%増の627億5200万円、旅行事業は4.5%増の1139億500万円、23.9%減の18億9900万円、商事事業などその他事業は2.2%減の973億9800万円、5.6%増の25億3300万円となった。

 航空事業のうち、国際線旅客数は8.3%増の242万人。運賃、燃油特別付加運賃の改定で旅客単価が上昇し、収入は17.3%増の1621億円と前年から2桁増加を記録した。特にビジネス需要を中心に堅調に推移、円安基調のため、海外発の需要に支えられたという。また、国内線の旅客数は1.5%減の2303万人であったが、旅客単価向上により収入は2.2%増の3812億円であった。

 旅行事業では海外旅行が前年減、国内旅行が前年増、合計では売上高が増加したものの、価格競争や燃油費高騰による仕入れ価格上昇に伴い、営業利益は減少した。海外旅行についてはチャーター便利用の商品が減少していることも、前年減の要因。また、ANAセールスによると、中国が前年30%増を記録するなど好調、ハワイについては関西発の減便で前年減となっているほか、ビジネス需要が堅調のためアメリカ本土がFITが増え、パッケージが軟調に推移しているという。このほか、ダイナミックパッケージの「旅作」はこの中間期の利用者が4万人超となり、特に国内旅行についてはNHの就航地が多いことから「定着してきている」という。海外旅行については、NH就航地にあわせた旅行となることから「まだ大きな需要ではない」としているが、引き続き利用を促していく。