すてきなプレゼント

  • 2006年3月27日
 ある日、いつものように都内の移動中、銀座のとあるデパートの地下街で驚いたこと。いつもは、女性ばかりのスペースに男、オトコ、♂!通称・デパ地下といわれる、ちょっとグルメな食品売り場に足を踏み入れるのが趣味のひとつである私にとって、少しショッキングな光景です。「???」と思いつつ、よくよく考えると、その日はホワイトデー。なるほど・・・、と、ホワイトデーという文化の発展に関心です。

 バレンタインデーのお返しの日として、すっかり定着した文化の始まりは1970年代後半。福岡の菓子店で始めたのが起源だそうです。日本の「お返し文化」に注目してはじまったビジネス、なんと目の付け所が良いのでしょう!いつもは、行列をつくるのが嫌いそうな叔父様方も、「女性好みの味ですよ〜」という売り子さんの言葉につられて並んでいるではないですか!

 こうした贈り物の市場規模は、年々大きく成長し続け、現在はなんと15兆円を超えるといわれています。そして、個人が個人に贈る誕生日やバレンタインなどの「パーソナルギフト」は、なんと日本の小売市場の全体の約一割を占めるということ!伝統的なお歳暮やお中元は、減りつつあるかわりに、違う市場が育っているということですね。ホワイトデーもそのひとつ、デパ地下の男性が作る行列はそれを反映させたものなのでしょう。

 古代から村社会を形成し、人とのつながりを大切にしてきた日本人。今では希薄になったとはいえ、まだまだ会社関係やご近所つながりを大事にする人が多いということでしょう。さらに、最近は家族という小集団のなかでも、よい関係性を続ける手段としてプレゼントを送りあう機会が増えてきています。この先に控える「母の日」は、クリスマスやバレンタインよりも大きい5000億円の市場規模。さて、こんな日常の日本人の消費行動を眺めつつ、商品販売のヒントにしてみませんか?
(*数値はすべて「ビジネスガイド社」の調査レポートより)

トラベルビジョン 山岡薫