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ジェットスター、来春就航前に本格販売へ、新たな概念・手法が明らかに

  • 2006年11月14日
 カンタスグループのジェットスター(JQ)は来年3月25日に関空/シドニー線に就航するが、このほどアクセス国際ネットワークが全旅行会社に対する予約を可能とした。日本に就航する初めての格安航空会社(LCC)として注目を集めるが、販売面でも関心が高い。

 今回の一部旅行会社から全旅行会社に対してGDSでの予約を解放するに当たり、興味深いのは販売手数料の方向性。JQのオーストラリア・サイトによると、日本については長距離路線では販売手数料(remuneration:JQサイトの表記)は1700円。これはオーストラリアでは20豪ドル(約1800円)、ニュージーランドでの20NZドル(約1560円)、シンガポールの20シンガポールドル(約1510円)、15米ドル(約1760円)と比べも、ほぼ同程度。

 また、JQのサイトで旅行会社が予約した場合、オーストラリアは25豪ドル、ニュージーランドは25NZドル、シンガポールは25シンガポールドル、アメリカは18米ドル、日本では2000円とし、GDSよりも高い設定だ。

 また、JQのオーストラリア・サイトでは、日本でもIATA代理店以外でJQから販売手数料を受け取ることが可能としているが、これについては今後の動きを見て対応したほうが良いだろう。


▽「予約→発券」から「予約=販売」へ

 手数料以外にも、「LCC」として印象付ける新たな対応、考え方が色濃い。例えば、旅行会社/JQ間の航空券の精算はBSPを経由するが、クレジットカードの入力が必要となる。このカード番号は搭乗客以外に、コーポレートカードでも可能だが、この番号が入力されていないとオートキャンセルとなる可能性もある。つまり、予約と発券が別個のプロセスではなく、「予約=販売」と一体化する。なお、このクレジットカードの入力については、消費者がJQサイトで予約する場合でも同様だ。

 また、キャンセルチャージが必要だが、旅客名の変更も可能。これまで航空券は基本的にはいわゆる「ネーム・チェンジ」は出来なかったものの、JQでは可能となる。これにより、航空券の譲渡が可能となり、これまでの「航空券」の概念は変わる。実際、JQでは航空券、eチケットも無く、日本にもこうした新たな「カタチ」が実際に上陸することで、業界に投げかける問題・課題などが今後、浮かんでくるだろう。

 こうした一連の販売における具体的な形では、特に日本での商習慣との兼ね合いを考えると、「予約=販売」時にクレジットカードが必要であることは、注目すべき点だ。上で述べたとおり、これまでの予約、発券(購入)という流れとは異なる新たな手法となる。
 最近では日本での「Same day VOID」の導入について話題となっているが、JQの手法では、「VOID」そのものの概念がない。現実的に旅行会社としては、「予約=販売」となることを理解し、「間違いなく販売する」というシンプルな形ともいえる。今後、「VOID」での対応を考える日本市場でどのような販売、またどの旅行会社が大きく販売をしていくかは、日系でも設立が検討されているLCCの動向と合わせて注目されるところだろう。