韓国からの訪日教育旅行、反日で減少も参加規模、訪問地の分散の良い傾向も

  • 2006年10月3日
 国際観光振興(JNTO)はこのほど、韓国からの訪日教育旅行市場の調査を取りまとめた。これによると、韓国の2049校の小・中・高等学校のうち、日本を含む海外教育旅行は、校数では昨年の825校から461校に減少したものの、参加人数は3万4972人から5万3016人と大幅増となった。このうち、日本への訪問は昨年の430校、2万293人から、今年は96校、1万411名の訪問と大きく減少した。国別の訪問先では中国に次ぐ2位。

 JNTOによると、この減少の理由は調査では明らかにはなっていないものの、「旅行会社による」とした上で、7月から8月の夏休みシーズンに訪問地を決定する時期にあたる昨年3月に発生した竹島、教科書問題が減少の要因となった模様。なお、今年については、反日等の「影響が少なく好調に推移」しており、訪日教育旅行の回復が期待される、としている。

 なお、昨年の訪日教育旅行は全体として減少したものの、良い材料として1回あたりの訪問規模の拡大、日本各地への分散化が鮮明になった。訪問規模は、昨年は52.6名であったが、今年は143.8名と約3倍に近く、参加者の規模が大きくなっている。また、訪問地域は関西地方の75.9%、九州地方の44.8%、関東地方の27.6%となり、これに北海道、仙台、沖縄などが加わってきている。