阪急と阪神の統合、旅行事業で話し合いが始まる、「緩やかな形」模索か

この旅行事業での統合に関し、阪急ホールディングス側は積極的に推し進めたい意向があるよう。ただし、阪急側の現場レベルでは「それぞれのブランドで認知、確立した路線があり、(統合を)早急に進めることではない」との考え方もあるようだ。
阪急、阪神の一連の統合については、ホテル事業に関して、納入品の共同仕入れなどで話し合いもまとまっている模様。旅行事業でも、航空、ホテルなどの仕入れについて、相互にブランドを維持しながら、効率化を図るという観点から相乗効果が望めるという意見もある。阪急の「トラピックス」、阪神の「フレンドツアー」と両社の認知度の高いパッケージツアーは、それぞれ主力とする顧客層が異なり、阪神は業務渡航に強いという特色もあり、こうした強みを継続的に活用し、さらに競争力を高める上では統合を図るよりも協同、協調の方が重要な要素となる。
ブランドや阪神の旅行事業部門の航空営業部を阪急交通社へ統合するよりも、「緩やかな形」で両社の活動が連携していく過程において、具体的には仕入れ部分での連携がはじまるという方向に話し合いが進む可能性は高い。