外務省−タイ・バンコクに渡航の是非発出、各社対応はツアー催行が多く

  • 2006年9月20日
 外務省は20日午後、タイ・バンコクに対して「渡航の是非を検討してください」を発出、危険情報を引き上げた。これは19日夜に発生した陸海空3軍司令官等による政変が発生し、陸軍司令部、アナンタサマーコム宮殿、チットラダー宮殿に戦車等が配置されている模様を受けたもの。ただし、危険情報では20日現在、「民間車両も通行しており、全般的に大きな混乱は起きていません」とも記載。ただし、「念のため、自宅・ホテル等安全な場所に待機し」、軍車両などが配置されている「宮殿、首相府、官公庁等周辺、大規模な集会や兵士などが集まっている場所には近づかないように注意してください」ともしている。

 危険情報の引き上げが実施された中で旅行各社の対応は分かれている。パッケージツアーの催行中止、催行を継続、デスティネーションの変更について対応と各社での判断をしているほか、取消料についても収受については、通常通りと免除で分かれている。
 今回の状況としては、航空会社が定時運航を継続していることもあり、ツアーの催行そのものを中止するのは少数派になった。ただし、取消料については収受しないという方向が多い。

 このうち、近畿日本ツーリストは通常通りのツアー催行と取消料の収受を決定した。近ツーでは、バンコクの観光施設である王宮についても午前9時現在で通常通りの入場が出来ることなど、一部の警察、国軍配置をのぞき、通常通りであることを受けた対応としている。また、空港についても平常で、国際線、国内線についても運航が支障なく継続されていることからバンコク、プーケット、アユタヤ、ホワヒンへのツアーについて、通常通りとしている。
 なお、これに加え、近ツーでは追加措置として21日出発のホリデイの旅客には非常時の連絡用の携帯電話を現地で貸与する方針。今週中については、携帯電話の貸与の措置は継続し、安全性の確保に努める。

 なお、各社の対応は下記のとおり。

<JTB>
20日午後の外務省安全情報の引き上げをうけ、26日までのバンコクの滞在を伴うルックについては催行を中止。20日、21日出発分の取消料については免除する。なお、27日以降について対応は未定だが、来週早期を目処に対処を決定する。

<近畿日本ツーリスト>
催行は通常通り。取消料の収受も条件書に従う対応。なお、追加措置として、携帯電話を貸与。

<日本旅行>
ツアーについては通常通り催行。なお、20日から9月22日出発分まで、取消料の収受は免除とする。

<ジャルパック>
ツアーについては催行。なお、9月22日までは取消料は収受しない。なお、9月26日発までの予約については、日程の延期について変更希望についてノーチャージで対応する。

<ANAセールス>
ANAハローツアー、ANAマイレージ特選ツアーの募集型企画旅行の催行については全コース通常通りの催行。なお、午前発のツアーについては催行した。取消料の対応については9月24日発まで、キャンセル料は収受しない方針。

<エイチ・アイ・エス>
20日、21日発分の募集型企画旅行についてはキャンセル、変更ともにノーチャージで対応。手配旅行については通常通りの対応。

<阪急交通社>
20日の午前出発分についてはツアーをキャンセル。夕方、および明日以降のツアーについては通常どおりの催行。なお、この対応は午前段階で現地の安全確認を継続していたため。なお、キャンセル料については収受しない。また、20日出発予定であった名古屋、福岡、仙台発の顧客に対しては21日以降の出発希望には出来る限りの対応をする方針。

<アールアンドシーツアーズ>
ノースウエストワールドバケーション、ウィッティの募集型企画旅行については、26日出発分まで催行を中止。なお、バンコク滞在以外のタイ方面のツアーについては平常どおりの催行となる。

※ジャルパックの対応について一部、表記を修正しております(編集部:19時00分)。