ジェイティービーはこのほど、JTBレポート2006を取りまとめた。これによると、海外旅行者数は1800万人としていたが、1月から4月の中国への旅行者数の伸び悩み、韓国への旅行者の減少などを主な要因として、この数値は下回るとの見通し。ただし、ビジネス旅行の堅調さ、景気上向き基調、サッカー・ワールドカップの影響などプラス要因から、1780万人程度が期待できるとの予測を示している。

　なお、財団法人日本交通公社（JTBF）は昨年末、海外旅行について業界を代表する担当者へJTBFが実施した調査によると、4.1％から6.0％増の伸びを見込む声が多く、平均で4％増程度の1815万人と1800万人を超えたいという「業界の声」を示したもの。ただ、これについてJTBFは原油価格の高止まり、航空各社の路線統廃合に伴う供給座席、世界各地のホテル供給客室の逼迫などを踏まえ、1795万人の予測も示していた。JTBFでは本日、海外旅行マーケット動向について、主任研究員の黒須宏志氏による分析を予定している。

　旅行者の海外の渡航先の今後の傾向を占う指標についても、JTBレポート2006において調査を公表。この中で、複数回答の「行ってみたいデスティネーション」は昨年、2002年以来3年ぶりに1位に返り咲いたハワイが今年も1位を維持。2位のオーストラリア、3位のイタリア、4位のフランス、5位のカナダと上位の順番は昨年と変化はない。ただし、1位と2位の行きたい度合いを示すポイント差は拡大。一方で、2位と3位のポイント差は縮小している。