楽天トラベル山田社長、ダイナミックパッケージは他社とオペレーションで差

  • 2006年7月25日
 楽天トラベルの山田善久社長は今後のダイナミックパッケージの発展について、海外旅行ではシステムの問題を解決する必要性を指摘した。これは、海外旅行での航空座席/航空券手配についてGDSにシステムを直結する必要があるものの、いわゆるIT運賃は座席として確保できるものの、航空会社と別に契約する必要があり、価格決定の場面で「人海戦術が必要」との実態を踏まえたもの。「アメリカではGDSをバイパスしている例もある」と語るものの、現状で楽天トラベルがこうしたバイパスでのダイナミックパッケージを展開することには疑問を投げかけた。
 こうした状況を踏まえ、ホテル等の仕入れについてはオペレーターを経由しているところ、可能な限り直接仕入れを増やしていく戦略を採る。特に中国では既に2000軒、韓国では1000軒と直接契約していることを明らかにし、現地法人を設立しているメリットを強調。今後の重点地域としてはやはり、欧米、および東南アジアであるが、これについては時間をかけて進めつつ、引き続きオペレーターとの関係も維持したい考えだ。

 また、今年にも本格展開されるダイナミックパッケージの強敵と目されるエクスペディアとの違いについて、「楽天トラベルは『楽天』ブランドでまとまっている」とし、これまで旅の窓口の買収から現在に至るまで、ブランドの変更に加え、オペレーションにも力を入れていることを強調。「ユーザーに評価していただき、それを公開している」例などもあげ、「ブランド戦略とオペレーションが差になるのでは」との見解も示した。