近ツー、ホリデイ05年度は22%増55万人目標、今年はハワイが牽引役

  • 2005年2月9日
 近畿日本ツーリストは2005年度上期海外パッケージ商品「ホリデイ」の発売を開始している。近ツーメイト・ホリデイ事業本部執行役員本部長の伊藤幸男氏は今年度について特にハワイ、ミクロネシアがけん引役となり、「2002年を上回り、完全回復できた」と復調をアピールする。ハワイは前年比40%増、人員ベースで2万7000人増を記録し、「海外旅行のバロメーターとしてのハワイの回復が大きい」と語る。
 上期商品はホリデイ・エクセレンス、ホリデイ・ホリデイ、ホリデイ・スペシャルの1ブランド3カテゴリー体制を堅持。全体では22%増となる55万人を年間の販売目標と設定。発地では全体の58%を占める首都圏の取扱数を伸ばしたいとするが、17日の中部国際空港の開港を控え、地方発含む中部発商品を拡充する。特に、中部は内際一体型の空港として利便性の高さを活用し、千歳、仙台、福岡発で中部空港を利用する商品を造成し、前年比27%増の8万5000名を計画する。また、台湾はこれまでユナイテッドツアーズの主催から、ホリデイ事業部へと移行。これまでは他社も台湾については別会社が主催する形式を採っていたが、これが全体の流れとして統一されていること。また、販促を行う上で基本コンセプトを貫き、作業の一元化を図る。
 近ツーでは今年、目標人数は22%増の55万人、取扱額20%増を超える75億円を目指す。近ツーの海外旅行の合計では昨年98万人のところ、110万人へと取扱いを伸ばしたい考え。方面別の目標は下記の通り。

 商品構成は主に3つに重きを置く。(1)04年度に全体の37%ほどを占める熟年層へ訴求する商品を中心にラインアップの拡充、(2)ウエディング、ハネムーンへの訴求を強化、(3)創立50周年記念商品の展開だ。
 (1)は価値の差別化を図ることを重視し、手配・企画・添乗の担当者が旅行医学講座を受講した一環性を売りに、「安全・安心」を謳う。「マーケットが主催旅行に求める安全」との考えから、こうした切り口を主軸に取扱を伸ばし、05年度は40%ほどのシェアへと高まる見込み。特に、エクセレンスは商品の完成度を高め、取扱いを伸ばす考え。特に、「熟年海外特選旅行」については先ごろ都内で開催したイベントを今後、大阪、名古屋で実施するほか、各支店を中心としたミニ説明会を開催し、顧客との接点を高める。また、「思い出紀行」は昨年までの「安心らくらく海外紀行」の名称を変更。添乗員同行と現地サポートの2つを用意し、熟年層にも気軽に海外旅行を楽しめる商品として打ち出し、自由行動の時間などを従来と比べて多く設ける。この設定方面はハワイ、オセアニア、アジアの3方面で展開する。
 (2)は挙式数の減少傾向を踏まえながらも、「このマーケットは旅行会社を頼りにすることが大きく、需要も十分にある」と強化の理由を説明。「ハワイウエディングカセットプラン」としてホリデイの通常商品に組み込めるよう手軽なプランとして商品化、同行者らの組み合わせにも配慮できるようにした。また、方面としてはバリに力点を置く。これは現在の若い世代がアジアでも、特にバリでの挙式ニーズが高く、近ツー社内の現場の意見を吸い上げ、企画。西洋式、バリ式と2種類を揃え、顧客ニーズに対応する。なお、ウエディングの集客目標は前年比50%増の1万人とする。
 (3)は「クルーズの旅」、「鉄道の旅」として別冊商品を展開。ホリデイの添乗員同行ツアーでは、こうした商品を展開することは初めて。クルーズではアラスカ、西カリブ、東地中海、北欧バルト海、西地中海などを設定。鉄道はベニス/パリ間のオリエント急行、スイス・アルプスからパリ/ロンドンとスイス登山列車、氷河特急、TGV、ユーロスター、バンクーバー・カナディアンロッキーなどのカナディアン号など、豊富な種類と今年だけの企画として展開する特徴を打ち出す。

▽2005年販売目標
【ハワイ/9万5000人(1%増)|ミクロネシア/8万人(17%増)|アメリカ/5万人(29%増)|ヨーロッパ/6万人(47%増)|アジア/15万人(25%増)|中国/3万5000人(17%増)|オセアニア/6万5000人(20%増)|台湾/1万5000人(186%増)|合計/55万人(22%増)】

※「近ツーのメイト・ホリデイ合計では昨年98万人のところ、110万人へと取扱いを伸ばしたい考え」とある部分は、「近ツーの海外旅行」の誤りでした。訂正し、お詫びいたします。