IATA、04年輸送実績で旅客需要は15%増、SARSは5%押し上げ

  • 2005年2月1日
 国際航空運送協会(IATA)によると、12月の定期航空会社の輸送実績は有償旅客キロメートル(RPK)が前年比7.6%増、有効座席キロメートルは(ASK)は8.9%増、ロードファクターは72.9%となった。これにより、年間ではRPKが15.3%、ASKが12.1%、ロードファクターは74.2%となり、旅客需要は前年比15.3%の増加であった(方面別の動向は下記の通り)。IATAでは全世界規模で昨年のSARSからの回復について、旅客需要の5%ほどを押し上げたと見ており、IATAが先ごろ公表した2008年まで旅客需要を年平均6%増の伸びとする予測に弾みをつける結果と分析する。
 ただし、2004年の航空業界全体での損失は48億ドル(約4983億円)と推計しており、2005年は利益の出る体質への転換点としている。原油高騰の状況は継続するものの、合理化等のコスト削減から2005年については航空業界で12億ドル(約1246億円)の利益が出るとも予測している。

▽方面別定期航空会社の旅客輸送実績<12月>
(地域/RPK増加率/ASK増加率/ロードファクター)
アフリカ/10.1%/7.9%/70.5
アジア・太平洋/5.6%/7.3%/72.1
ヨーロッパ/6.9%/7.9%/72.1
中東/14.7%/14.0%/72.9
北米/8.3%/10.6%/77.1
南米/10.4%/13.5%/71.7
全体/7.6%/8.9%/72.9

▽方面別定期航空会社の旅客輸送実績<2004年>
(地域/RPK増加率/ASK増加率/ロードファクター)
アフリカ/10.3%/8.9%/67.8
アジア・太平洋/20.5%/15.5%/72.4
ヨーロッパ/10.1%/8.4%/75.1
中東/24.8%/21.6%/71.7
北米/14.8%/11.0%/78.9
南米/12.7%/9.8%/73.9
全体/15.3%/12.1%/74.2