JTB、今年の動向で海旅1740万人を予測、津波等の余波は限定的か?

  • 2005年1月6日
 ジェイティービー(JTB)はこのほど、2005年の旅行動向見通しをまとめた。これによると、今年の海外旅行者数の推計は前年比3.6%増の1740万人(2004年は03年比26.4%増の1680万人:JTB推計値)の見込みを示した。また、海外旅行の平均消費額は04年比1.3%減の30万6200円と2年連続で前年割れを予想。これは96年に40万円台の平均消費額を割ってから、2003年には02年比で上昇した以外、右肩下がりの傾向にある。ただし、海外旅行総消費額は旅行者数の増加が寄与し、04年比2.2%増の5兆3300億円と90年代後半から2000年の6兆円台に遠いものの、2年連続で増加する流れだ。
 海外旅行者数の増加のカンフル剤としてJTBが分析する要因は、NHKが放映を開始した「新シルクロード」の影響で中国西北部へ関心の高まり、地方空港との乗継利便の高い中部国際空港の開港、中国・韓国・ハワイ方面への地方発路線の増便などをあげる。また、スマトラ島沖地震・津波の影響はぬぐいきれないものの、海外旅行全体におけるこの地域のシェアは2%程度であることから、限定された程度に留まると考察する。
 また、訪日外国人数はビジット・ジャパン・キャンペーンの浸透、「愛・地球博」の開催に伴い、台湾、韓国からの訪日ビザ免除が奏功するとして、16.4%増の710万人(2004年:03年比17.0%増の610万人:JTB推計値)と予想する。
 国内旅行は週末3連休が9回と04年の4回から増加すること、訪日と同様に「愛・地球博」の来場者数目標1500万人の効果も含み、1.9%増の3億2700万人の旅行人数、平均消費額は0.1%減の3万5400円、国内旅行総消費額は1.8%増の11兆5800億円と推計している。

▽2005年の見通し(項目/推計値/前年比)
国内旅行人数/3億2700万人/1.9%増
海外旅行人数/1740万人/3.6%増
平均消費額(1人1回あたり)国内旅行/3万5400円/0.1%減
            海外旅行/30万6200円/1.3%減
平均旅行回数/2.70回/0.06回増
訪日外国人数/710万人/16.4%増

▽2004年の実績推計(項目/推計値/前年比/年初予測)
国内旅行人数/3億3765万人/0.0%減/3億4470万人
海外旅行人数/1680万人/26.4%増/1650万人
平均消費額(1人1回あたり)国内旅行/3万5450円/0.4%減/3万5195円
            海外旅行/31万370円/6.2%減/31万2873円
平均旅行回数/2.64回/0.01回減/2.65
訪日外国人数/610万人/17.0%増/600万人