「おれおれ詐欺」が旅行業界でも発生、個人情報の管理に警鐘

  • 2004年11月17日
 「おれおれ詐欺」が旅行業界でも発生−。日本旅行業協会(JATA)によると、海外旅行に出発した旅行者の家族に「おれおれ詐欺」の電話が8月ごろあったという。旅行中の女性がソウルで死亡事故を起こしたと家族の自宅に一報が入り、「払わないと拘留される」などとして現金130万円を振り込む指示があった。幸い、家族は旅行中の女性が携帯電話を持参していることに気付き連絡を取ったところ、事故を起こす等の事態は発生していないことが確認でき、大事には至らなかった。ただし、「おれおれ詐欺」の電話があった家族から旅行会社に対し、「個人情報が漏れた」と問合せから事態が発覚した。
 個人情報の漏洩は当該旅行会社からではないものの、空港などに集合した際、スーツケースに付けるネームタッグから旅行者の名前、住所等が判明した模様だ。当該旅行会社は改善策として、カバーのついたネームタッグの使用などを検討していると言う。
 現在、JATAはこうした出発時のケースや宅配便で書類の送付などで不必要に個人情報を明記しないことを告知する考え。11月から来年3月まで苦情セミナーを開催しているが、こうした場を通じて来年4月に施行する個人情報保護法へ対応を促す。