国交省、観光審議官の鷲頭氏就任の抱負でソフトを重視

  • 2004年7月16日
 国土交通省に新設された局長級ポストである総合観光政策審議官に就任した鷲頭誠氏は会見で現状や抱負等を語った。鷲頭氏は2年前まで務めた観光部長時代と比較し、「この2年間に観光が国土交通省、あるいは観光部といった一部署、一省庁の問題でなく、官邸をはじめとした政府全体の動きになった」と語り、「急速に進んだ感がある」とした。こうした動きに自らの抱負として、「この動きを加速し、順調に進むようにすること」とした。
 ただし、2010年までに訪日外客数1000万人の目標について、「現在は約500万人。毎年100万人の増加を目指すことは楽な目標ではない」との認識を示す。このため、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の成果を導きだすこと、国内観光地作りとしてのソフトの充実、出入国手続きや案内表示など他省庁との連携による施策を課題として挙げる。特に、国内の観光地の整備については「VJCで誘致を図っても訪問者が観光を満足していただくことが重要。それには中身となる観光地の整備が必要」として、来年度の予算案に環境整備などの名目で検討することを示唆した。
 また、インバウンド旅行の取扱が少ない、いわゆる「中抜き」的な立場にある日本の旅行会社の現状については「白バス等の違法なものは規制をしなければならない。ただし、日本人が海外旅行で日本人のサービスが良いと思うように、相手の国の方も同じ事を日本で感じている。日本の旅行会社やサービス施設も対応をしていく必要がある」とサービス向上への対応を述べた。