JTB、今年の旅行動向予測で海旅は前年比23.6%増の1650万人

  • 2005年1月6日
 ジェイティービー(JTB)がまとめた2004年の旅行動向調査によると、今年の海外旅行者数の推計は前年比23.6%増の1650万人(2003年は02年比19.2%減の1335万人:JTB推計値)となる見込みだ。また、海外旅行の平均消費額は前年比0.8%減の31万370円(2003年は02年比0.2%減の31万2873円:JTB推計値)。海外旅行人数はSARSやテロの不安が残るが、2003年からは大きく回復する見込み。旅行消費額の減少はアジア、中国を中心とした旅行の増加、堅実な消費が定着しつつあることを踏まえ、ほぼ前年並みの31万円台となる予想だ。方面別ではオリンピック開催のギリシアをはじめ、ヨーロッパ方面の関心の高まりを期待するほか、ハワイではファミリーを中心として新しいハワイの魅力が再発見される動きが強まる傾向。また、ビザが不要となった中国やベトナムの旅行人気が再燃する予想もしている。
 国内旅行は旅行意欲が堅調に続くと予測する。特に都会志向と自然志向が顕著になり、六本木ヒルズ、汐留、お台場などの東京の新スポット、大阪USJのアトラクションが人気を呼ぶ一方で、白神山地、知床、そして世界遺産に登録予定の熊野古道が注目を集めるとしている。訪日外国人旅行は成田空港における入国審査の迅速化や東京都が進める観光産業振興プランなどインフラ、行政面でのサービス拡充も寄与し、引き続き堅調に伸びる見込みだ。
 なお、旅行マーケットを牽引する主な層として30代から40代前半の女性層、および団塊の世代以上の中高年層と見ているほか、旅行出発日の分散化や従来の駆け足旅行から滞在型旅行が増加する傾向が強まると示唆する。

▽2004年の見通し(項目/推計値/前年比)
国内旅行人数/3億2820万人/0.9%増
海外旅行人数/1650万人/23.6%増
平均消費額(1人1回あたり)国内旅行/3万4984円/0.6%減
            海外旅行/31万370円/0.8%減
平均旅行回数/2.70回/0.05回増
訪日外国人数/600万人/14.5%増

▽2003年の実績推計(項目/推計値/前年比)
国内旅行人数/3億2520万人/0.4%増
海外旅行人数/1335万人/19.2%減
平均消費額(1人1回あたり)国内旅行/3万5195円/1.0%減
            海外旅行/31万2873円/0.2%減
平均旅行回数/2.65回/0.02回減
訪日外国人数/524万人/前年同