夏のファミリー層の旅行動向に懸念、教育委員会が海外旅行自粛の「お願い」

  • 2003年6月17日
 外務省が6月17日付けで台湾に関する危険情報を「十分注意してください」に引き下げるなど、新型肺炎(SARS)の影響が終息する方向にあり、業界全体で夏の繁忙期に向け需要回復策を打ち出している。しかし、需要の回復は筋縄では行かないようだ。
 埼玉県蓮田市教育委員会では保護者宛に「お願い」の形で夏休みの海外旅行から帰国後、10日間の外出を控える旨の書面を配布した。夏の時期に最も動くファミリー層への影響が心配される。蓮田市教育委員会によれば、この書面は強制するものでは無く、あくまで予防喚起を目的にしているという。同教育委員会次長兼学校教育課長の福原良男氏は「4月初頭に香港から中学生の転入者がいたことからSARSの対応を厳重にしており、7月下旬に出発予定のオーストラリアへの中学生海外派遣事業も中止した」と同市でのSARS対策における現状を語る。なお、蓮田市の教職員はSARS流行地域以外の国・地域へ訪問した場合でも、帰国後10日間は生徒と接触しないことを申し合わせている。