【南アフリカ視察・後編】ケープタウンの奥深さを探る ワインランドから喜望峰、ロベン島まで

 前編ではダーバンの海洋リゾートや多文化、ケープタウンの象徴・テーブルマウンテンを紹介した。後編ではケープタウン郊外へ足を延ばし、ワインランドや喜望峰、ボルダーズビーチ、世界遺産ロベン島などを巡りながら、自然、歴史、食文化といった多彩な観光素材を紹介する。現地を巡ると、景観だけでなく、その土地に息づく文化や歴史を体感できることもケープタウンの大きな魅力だと感じた。

ボルダーズビーチに生息するケープペンギン。ケープ半島を代表する野生動物の一つだ。

ワインランドで感じた南アフリカワインの奥深さ

 テーブルマウンテンを後にして向かったのは、ケープタウンから車で約1時間のワインランド。南アフリカは世界有数のワイン生産国として知られ、西ケープ州にはステレンボッシュやフランシュフック、パールなどワイン産地が広がる。美しい山並みとブドウ畑が続く景観は、ワインそのものだけでなく、地域全体が観光資源となっていることを実感させる。

 今回訪れたのは、ステレンボッシュ近郊のワイナリー「Stark-Condé Wines」。まず敷地内の「Postcard Cafe」で昼食を取り、その後、池の上に建つテイスティングルームへ移動した。湖面に映る山並みやブドウ畑を眺めながら過ごす時間も、このワイナリーならではの魅力である。

(左)ワイナリー敷地内にある「Postcard Cafe」。(右)テイスティング前には同店でランチを楽しんだ。

 テイスティングでは、白ワインの「The Field Blend」と「Round Mountain Sauvignon Blanc」、赤ワインの「Kara-Tara Pinot Noir」「Stellenbosch Petite Sirah」「Stellenbosch Cabernet Sauvignon」の計5種類を試飲した。Round Mountain Sauvignon Blancは取材時点では日本未発売で、現地でしか味わえないワインとして紹介された。赤では、南アフリカではまだ生産例が限られるPetite Sirahや、同ワイナリーがシグネチャーワインの一つに位置付けるCabernet Sauvignonなど、それぞれ異なる個性や味わいを楽しんだ。

(左)山々と豊かな緑に囲まれたStark-Condé Wines。(右)水辺でくつろげるスペースもあり、美しい景観とともに滞在を楽しめる。

 同ワイナリーは創業家に日本人女性の丸山みどり氏がおり、日本とのゆかりを持つことでも知られる。テイスティングでは、ワイン名を日本語で記したシートも用意され、日本とのゆかりを感じさせる場面も見られた。

(左)Stark-Condé Winesで試飲した5種類のワイン。ワイン名を日本語で記したシートも用意されていた。(右)同ワイナリーが手掛けるワイン。

 こうしたワイナリー体験は、ケープタウン近郊を代表する観光素材の一つでもある。南アフリカ観光局でもワインランドを巡る「グルメ旅」を紹介しており、ワインや食事に加え、宿泊施設やアートギャラリーなどを含む地域の魅力を発信している。ワインだけでなく、景観や食、滞在を組み合わせて楽しめることも同地域の特徴だ。

次ページ:喜望峰やケープペンギン、ホテル・食文化から見るケープタウンの魅力