フィンエアーがプレスデーを開催、危機を乗り越え成長戦略を提示

  • 2026年4月13日

 フィンエアーは2月、インターナショナルプレスデーを開催し、同社の戦略、ネットワーク拡大、顧客体験の進化について説明した。2019年以来7年ぶりとなる対面形式での実施で、トゥルッカ・クーシストCEOをはじめ経営陣が一堂に会する機会となり質疑応答では多くの質問が寄せられた。その内容をリポートする。

危機を乗り越え堅調に成長

 会場はヘルシンキから車で30分ほどのヌークシオ国立公園内のハルティア自然センター。登壇したクーシスト氏は冒頭、この会場選びにはフィンランドらしさを伝える意図があると話し、来場者に配られた手製のウールソックスや森のなかの静寂や落ち着き、温かみのあるもてなしの文化を印象づけた。

トゥルッカ・クーシストCEO「フィンランドらしさこそが、フィンエアーの経営理念」

 1923年創業のフィンエアーは、今年103周年を迎えた。世界でも有数の歴史を持つ航空会社であり、約5800人の従業員による家族的な組織文化を特徴とする。その根底には、フィンランド特有の精神「シス(Sisu)」がある、とクーシスト氏。

 「シス」とは困難な状況でも粘り強く前進するフィンランド特有の価値観のことで、パンデミックとロシア上空の空域閉鎖といった二重の危機をもこのシスをもって乗り越えたという。従来強みとしていた欧州/アジア間を10時間以内で結ぶ最短ルートが使えなくなったことで、同社の優位性は大きく揺らいだ。しかしながら、長距離ネットワークの再構築と東西の地域バランスの見直しにより、回復への道筋を確立。2025年には1億2000万〜1億3000万ユーロ規模の利益を見込むまでに至っている。

 これにはフィンランドの観光需要が拡大していることが追い風となっており、宿泊数は720万泊(前年比+12%)、外国人宿泊は510万泊(+10%)と欧州平均を上回る成長を示しているという。主なインバウンド客は日本、中国、インド、台湾、米国、豪州といった長距離路線利用者で、今後のネットワーク戦略にも反映されている。

パネル形式で経営陣が一堂に会する。(右から)最高デジタル責任者アンティ・クレモラ氏、最高収益責任者クリスティーン・ロヴェリー氏、最高顧客責任者サイモン・ラージ氏