平和産業という実感!和束と空をつなぐ現場から-KYOTOyui 近藤芳彦氏

  • 2026年4月10日

 和束茶カフェでの体験と、ヘリコプターによる移動。一見異なるこれらの取り組みは、私の中では明確につながっています。それはどちらも、「人と地域との関係性をいかに生み出すか」という問いに対する実践だからです。

 こうした取り組みを続ける中で、私は「平和産業」という言葉を概念ではなく実感として最近捉えるようになりました。ここでいう平和とは、何かを強く主張するものではありません。人が土地を訪れ、自ら関わり、その価値を理解していく。その積み重ねによって生まれる、静かで持続的な関係の状態を指しています。

 和束の茶畑で過ごす時間、空からその風景を眺める体験、その後に自ら関わる一杯。これらはすべて人の内側に小さな変化をもたらします。その変化は目に見えるものではありませんが、確実に記憶として残り、次の行動へとつながっていくのではないでしょうか。

 その積み重ねが、結果として社会全体の関係性を穏やかなものへと導いていく。その「一杯のお茶」の可能性を和束町に関わる中で強く感じております。

 また、このような取り組みを地域としてどのように支えていくかも重要です。観光をどのような産業として位置付けるのかによって、施策の方向性は大きく変わります。単なる来訪者数の増加ではなく、地域との関係性を深める取り組みをどこまで後押しできるかが問われているのではないでしょうか。

 和束に関わる者としての実感は明確です。これからの観光に必要なのは「量」ではなく「質」、そして「関係性」です。「一杯のお茶」の体験も、空から地域に入る体験も、その本質は同じです。

 人が関わり、理解し、記憶に残る。その連鎖を丁寧に積み重ねていくこと。それこそが地域を支え、社会に静かな安定をもたらす力になると感じております。

 私はこれからも、この和束の現場から、その価値を具体的な形として積み上げていきたいと考えております。それは特別なことではなく、運営の中で一つひとつ実践していくものです。その積み重ねの先にこそ、持続可能な産業の姿があると確信しております。

近藤芳彦
株式会社KYOTOyui代表取締役。トラベル京都代表。1972年3月生まれ、大阪トラベルジャーナル旅行専門学校卒業後、旅行会社に3年ほど勤めるが、結婚を機に退職し、その後は他業種に就いたものの2006年に旅行業を立上げ、2016年には法人の観光業を営んでいる。趣味は「旅×仕事」です。