スクート、羽田/シンガポール線就航 初便312名、日本は週45便に
3月2日の羽田発シンガポール行きの様子
シンガポール航空(SQ)グループのLCC・スクート(TR)は3月1日から、羽田/シンガポール線のデイリー運航を開始した。羽田の深夜早朝枠を活用した便で、シンガポールを17時半に出発して翌日午前1時に羽田に到着し、午前2時15分に出発、シンガポールに午前8時半に到着するスケジュール。運航機材はスクートプラス21席、エコノミークラス314席、計335席のボーイングB787-8型機だ。
TRによれば、シンガポール発の初便は座席を使用しない2歳未満の幼児(インファント)2名を含む307名、羽田発の初便は同2名を含む312名が搭乗した。初便以降の方が搭乗率が高く、ほぼ満席で運航しているという。予約も好調で、日本人と外国人の比率は現在は同程度。レジャー需要が多いという。
(左から)カルヴィン・チャン氏、バーナード・シム氏、安武秀敏氏
就航を控えた2月27日に都内で開催したメディア向け説明会で登壇したスクート最高商務責任者(CCO)のカルヴィン・チャン氏は「日本は重要な市場でビジネスチャンスがあるということで、2012年10月の成田/台北/シンガポール線を皮切りに路線を拡充してきた」と振り返った。羽田線の就航により日本路線は5都市・週45便となり、1国への供給規模としては3番目になるという。
同氏は日本を含むアジア太平洋地域について「非常に大きな成長の機会を持っている地域。短中期的にもこの地域でのプレゼンスを高めていきたい。特に域内においての接続需要を強化の対象ととらえている」と話した。そのうえで羽田線について「羽田空港は日本国内線への接続が大変優れている。日本各地に向かう旅行者のニーズを満たせるのでは」と期待を示した。
日本人の旅行需要については、北アジア地域統括ゼネラルマネージャーのバーナード・シム氏が、シンガポール到着が朝の8時半である点を踏まえ「シンガポール経由で多くの就航地に訪問できるので、日本の皆様にさまざまな選択肢が提供できる」とアピール。TRは東南アジアで46路線を展開しており「インドネシアやマレーシア、タイなどに旅行する際、豊富なルートが提供できる」と語った。
安武秀敏氏
日本支社長の安武秀敏氏も、日本人の海外旅行需要について言及。「昨今の厳しい環境下でも海外旅行需要は堅調に推移しており、短距離で比較的価格の良いアジアへの需要はこれからも続いていくだろう。TRとして需要に対応できるようにしていきたい」と話した。同氏によれば、2025年の日本発の供給量は前年比4%増だったが、旅客数は13%増と供給の増加を上回ったという。
また、同氏は羽田到着が深夜1時であり、公共交通機関の利用が難しいことについても説明。成田空港から東京に戻る際には一定の費用がかかるとし、「昨今は乗り合いタクシーもある。(成田からの移動費と比較して)お客様には羽田から都心へのリーズナブルな移動方法を選択していただけるのでは」と語った。
直販を強化も、日本市場は旅行会社との関係を継続
バーナード・シム氏
説明会ではシム氏が、日本での販売戦略についても言及した。LCCが一般的に重視する直販については「ウェブサイトやモバイルアプリ経由の直販は非常に重要なメインのチャネル」と語り、「日本は旅行会社やOTA経由の販売比率が他市場よりも高い。お付き合いを継続しながら、直販チャネルのカスタマーエクスペリエンス、UIを高めていきたい」と話した。
チャン氏は旅行会社経由について「通常ではリーチできない、団体旅行やMICEなどのセグメントに対して提供できている」とコメント。「旅行会社向け社内開発ポータルの提供などで拡充していきたい」と意欲を述べた。
安武氏も「ホテルと一緒に手配したい方もいるので、旅行会社経由のニーズはある」と語り、直販も強化しつつ、引き続き旅行会社やOTA経由の販売を継続。政府観光局などと協力し、日本人の海外旅行需要の取り込みに取り組む意欲を語った。
カルヴィン・チャン氏
このほか、発表会ではチャン氏がTRのサービスについてもアピール。SQとのコードシェアや、SQグループのマイレージプログラム「クリスフライヤー」に参加しており、TRの利用でもマイルの獲得が可能な点や、AIチャットボット「M.A.R.V.I.E(マーヴィー)」による顧客対応、モバイル搭乗券、オンラインチェックインなどデジタルサービスの拡充も進めていることを説明した。