フィンエアー、故サカリ氏の意思継ぎ日本市場への投資継続 今夏に新体制発表へ

フィンエアーのトゥルッカ・クーシストCEOが来日し、今夏の日本路線戦略や安全運航体制への対応など、同社の最新動向について語った。2025年夏スケジュールにおいて、日本路線は東京(成田・羽田)、関西、中部の3都市から週25便体制とし、「日本市場は戦略的に非常に重要なマーケット」と位置づける方針を改めて強調した。
日本路線では、羽田、成田。関西線は夏期に毎日運航し、名古屋線は夏期のみ週4便での運航となる。冬期は一部路線を減便するが、2026年夏には再び全便体制への回復を見込む。なお、札幌や福岡といった他都市への復便計画は現在のところ未定で、ロシア上空の飛行制限が影響していると説明した。
組合交渉前進で経営基盤強化、日本支社は新体制へ移行
同社では、パイロットなど従業員との労使交渉が課題となっていたが、パイロット組合との労働協約同意に成功し、他部門とも協議が進展中とした。今後3年間の安定運航体制に道筋をつけ、次のフェーズとして「顧客への新しい価値創造」に注力するとした。特にフィンエアープラスの会員制度刷新や直販と代理店販売の両立を図る中で、日本市場にも積極投資を継続すると述べた。
突然の訃報となった日本支社長サカリ・ロム氏の死去については、「日本市場に尽くした彼の意思を引き継ぎ、新体制のもとでプレゼンスを高めていきたい」と表明。日本支社の新たな体制は今夏中に正式発表される見通しだ。
続けて、直近のエアインディア墜落事故については、「原因解明と業界全体での教訓が重要」とした上で、社内の運航・整備手順が常に安全を最優先に構築されていると強調。「安全は何事にも代えがたい最も重要なもの」と発信した。
同氏によると、2025年第一四半期の旅行需要は欧米・アジアともに好調に推移。一部報道では、米国に対するレジャー需要の忌避的傾向が見られるなか、クーシスト氏は「(同様の傾向について)現時点では顕著ではない」との見解を示した。