オーストラリア政府観光局（TA）が4月28日から5月2日にかけてブリスベンで開催した旅行商談会「ATE25」。会場で開かれたメディア説明会ではTAが市場の現況や今後の活動計画などについて発表。日本市場についても2029年に68万人とする外部機関による予測値が示された。2024年比で1.7倍、2019年比でも1.4倍と野心的な目標の達成に向けて、TAと各州・地域の観光局に現状と方針を聞いた。前編はTA日本・韓国地区局長のデレック・ベインズ氏のインタビュー、後編は各州・地域の情報をまとめて紹介する。

TA日本・韓国地区局長のデレック・ベインズ氏（以下、敬称略）　2025年3月までの12ヶ月間で日本からの訪問者数は約39万6000人となり前年から22％増加した。2019年の49万9000人にはまだ届かないが、日本のアウトバウンドの環境のなかではいい数字ではないかと思う。特に出国者数に占めるシェアを拡大し続けられているのは喜ばしい。

ベインズ　グローバルキャンペーン「『グッデイ！』ではじめよう、オーストラリア」が奏功していることもあるだろう。我々は、コロナ禍中から旅行業界とできるだけ親しい関係を作ることを戦略として追求した。これにより他の国よりも少し早めに前向きなエンゲージメントをできたのではないか。また豪ドルが他の通貨よりも比較的落ち着いていることや、時差の少なさなど行きやすいこともプラスに働いている。

　それからテレビでの露出も増えておりとてもいい結果が出ている。今年1月には旅サラダで5回にわたって放送され、出演された南圭介さんはHISの海外旅行大感謝祭にも登場された。また4月にも「ソロ活女子のススメ5」でメルボルンが2話にわたり取り上げられた。

　大阪・関西万博のオーストラリア館でもTAとしてのイベントを開催している。すでに終了した4月の回に加えて、6月と7月にも消費者向けのイベントを予定している。また日本人旅行者の関心が高い世界遺産のキャンペーンも継続していく。5月22日にはキャンペーンアンバサダーのあばれる君がマイナビのオフィスで出張授業をした。

ベインズ　計画中なので詳細はまだ発表できないが大きな展開になりそうだ。開始時期もまだ決定していないが、今年後半くらいにはご覧いただけるだろう。10月まで万博が続き、キャンペーンの第2弾も年末にかけて始まる。そういった面で集中するように計画している。

　第2弾の内容としては、オーストラリアを訪問して体験する、そういったことに関するストーリーに焦点を当てることになる。オーストラリアに行った時に印象に残る場面などそういった体験でのストーリーテリングがテーマになる。