「日本旅行コーポレートソリューションズ」始動、辻本社長に聞く統合の狙いと今後の戦略は

 エムハートツーリストと日本旅行のビジネストラベル事業部が統合し、2025年4月より新体制でのスタートを切った「日本旅行コーポレートソリューションズ」。エムハートツーリストから継続して代表取締役社長を務める辻本直哉氏は、業務渡航を中核に、MICEや福利厚生、出張管理システムの強化など、事業領域を広げながら新たな付加価値創出を目指す方針を示す。今回は、統合の背景や「出張なび」の展望、法人旅行市場の変化と今後の戦略について、同氏に話しを聞いた。

辻本直哉氏
-最初に、改めて会社の概要について教えてください。

辻本直哉氏(以下敬称略) 当社はエムハートツーリストと日本旅行のビジネストラベル事業部が統合してできた会社で、社員数は約140名、拠点は大阪本社と東京支店の2拠点体制です。日本旅行の100%子会社で、各拠点に営業・オペレーション部門があり、大阪が管理部門、東京がシステム部門といった役割分担になっています。

-統合後の事業展開について教えてください。

辻本 統合前の両社が行っていた出張管理業務が中心ですが、それに加えて主にエムハート側で手掛けていたMICEやインバウンド、研修、業務性の高い団体旅行も継続します。また、出張管理システムの「出張なび」に関しては、ヘルプデスクは大阪に一元化し、大阪東京それぞれで営業展開しています。

-今回の統合に至った背景を教えてください。

辻本 法人顧客のニーズが拡大する中で、DXの加速と業務の自動化を進めるには、テクノロジーへの集中投資が不可欠で、重複投資を回避してサービス・品質の向上を目的として統合しました。両組織が日本旅行の100%子会社と直営部門であったことも統合を進めやすい要因でした。

-競合他社と比べた場合の強みは何でしょうか。

辻本 これまでのBTMの潮流が業務渡航特化型であるのに対し、当社はシステムや業務プロセスを含む人の移動に関するあらゆるニーズに対応する包括型のモデルを志向しています。単なる出張手配にとどまらず、MICEなど企業活動に関連する幅広い支援を行うコンサルティング型の企業を目指しています。