仏最大のツーリズムトレードショー、ヌーボーだけじゃないボージョレFAMと食都リヨン市内ツアー

ボージョレからリヨンへ 絹織物と食の街

 ボージョレ3日目。黄金石の中世の城「シャトー ド ラプトゥール Château de Rapetour 」を訪れ、17世紀から勢を尽くして集められた豪華絢爛なインテリアに驚かされた。秋のヨーロッパ文化遺産の週末に特別公開される他は、ボジョレー観光協会を通しての見学依頼になる。

 最後に、12世紀に造られた「ラ トゥール ド ワン La tour d’Oingt」にのぼり、ボージョレの素晴らしい眺めとワインを楽しんでリヨンへと向かった。

貴族の館をそのままの「シャトー ド ラプトゥール 」豪華な調度品に目を奪われる。中には古伊万里など東洋のものも。
「ラ トゥール ド ワン 」からの眺め。塔内には花崗岩や石灰岩など300種類以上の土壌でユネスコのジオパークに認定されているボージョレについての展示も。

 ソーヌ川とローヌ川、2つの丘が織りなす景観が美しいリヨン。「ランデヴー・アン・フランス2025」の1日目の全参加者向けのツアーでは、市の中心にあるベルクール広場からバスでフルヴィエールの丘へ。丘の上に立つ荘厳な「フルヴィエールのノートルダム大聖堂」を見学。

フルヴィエールの丘に立つノートルダム大聖堂。隣にペスト退散のために祈りが捧げられた黄金のマリア像をいただく教会堂が立つ。

 翌日のプレス向けツアーでは、ソーヌ川沿い北のもう一つ丘クロワルースを訪れ、ユネスコの世界文化遺産に登録されている旧市街を散策した。石畳の街並みが残る一方で、若手アーティストたちが描く個性的な壁画との対比が面白い。

 絹織物工房が今もあるリヨンの街には、トラブールという建物の中を通っていく隠れ小道が数多くある。雨が降っても絹織物を運べる通路は、デザインが見えて盗まれないようにする意図もあったらしい。さまざまに豚を使った料理や魚のすり身をオーブンで焼きソースをかけたクネルなど食都リヨンらしい郷土料理も味わった。

クロワルースの丘のふもと。若手のアーティストによる個性的な壁画があちこちにある。
リヨンのビストロ「ブション(Bouchon)」の豚足の料理。思いのほかしつこくななくコクのあるおいしい一品だった。

 FAMツアーでは、ワインと食、自然と歴史、さまざまな魅力を堪能できた。最後の全員参加でのディナーは、再びボージョレーの古城ホテル「シャトー・ド・バニョル Château De Bagnols 」へ。19世紀に建てられた城内はモダンに改装され、美しい庭園が広がる圧巻の華麗な会場で「ランデヴー・アン・フランス2025」の幕を閉じた。

最終日の夜は、古城ホテル「シャトー・ド・バニョル 」が舞台。参加者も大盛り上がりだった。

取材・文/小野アムスデン道子