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ランデヴー・アン・フランス2023レポートPart2 『Dream Big, Live Slow』新しいExplore Franceのキャンペーンがスタート

  • 2023年4月13日

3つの観光局インタビュー
RWC2023のトピックも

 第16回ランデヴー・アン・フランス(Rendez-Vous en France)は、フランス13の地域が参加する新しいExplore Franceのキャンペーンのスタートを発表する機会でもあった。サスティナブル・ツーリズムをメインテーマに、ポスター、ビデオ、ソーシャル・ネットワーク上で発信されるメッセージは、「Dream Big, Live Slow」、「スローなリズムで、持続可能なオーセンティックな旅を」。フランスの豊かさが、訪れる人にもたらす大きな感動を環境保護やスローツーリズムに統合していくことを意図したものだ。2023年のキャンペーンは、まだ一般的に知名度が高くない小さな村の手付かずの魅力溢れる環境の中で、美食の工房やワイナリー巡り、生活工芸品 (Savoir-faire artisanal)のアトリエ見学など、とっておきの場所を紹介することにより、訪問者の流れが集中しないように促しつつ、ゆったりとした時間の流れに身をまかせながら非日常の体験が満喫できるような趣向が凝らされている。

 4月上旬からキャンペーンの第1弾はフランス全土のほか、ドイツ、ベルギー、英国、スイス、スペイン、デンマーク、スウェーデン、オーストリア、オランダの欧州10カ国でスタートした。そして現在高い成長を続けており、今後それ以上の発展が期待される米国とカナダでも初めて展開される。その後は、第2弾として地域観光委員会などが発信を希望する場合、第1弾を補完する形で同一のスローガンの下にキャンペーンを展開。さらに第3弾は、夏のヴァカンス・シーズン前に民間の運輸・ホテル業と連携したキャンペーン展開を目指している。

 「持続可能な観光は一過性のトレンドではなく大きな発展。フランスはその先陣を切らなければならない。パンデミックが終わり観光客の流れは多様化の傾向にある。観光客の習慣は変化しつつあることから、フランスが観光客にとって優れた土地であり続けるために観光もそれに合わせて変化する必要がある。このキャンペーンはより責任を伴ったものであり生物多様性を尊重する思索と発見を促すような、新しい観光の形を推進する機会である。」と、オリビア・グレゴワール(Olivia Grégoire)中小企業・貿易・工芸・観光大臣は説明する。フランス観光開発機構カロリーヌ・ルブーシェ総裁(Caroline Leboucher)によると、2022年、フランスにおける国際観光収入は580億ユーロ(約2.5兆円)を計上し、140億ユーロのプラス収支であったということだが、今年はそれを上回ることができるか。


RWC2023の喧騒を逃れて
美食の都ディジョンまでパリから1時間40分(TGV)でアクセス可能!

 ヴェズレーの教会と丘、フォントネーのシトー会修道院、アルケスナン王立製塩所など11つの「ユネスコ世界遺産」、ヴェズレーやシャブリ、シャトーヌフなど14の「フランスの一番美しい村」。6つの「ワイン街道」、3つ星のメゾン・ラムロワーズ(Maison Lameloise)のほか、36の「ミシュラン星付きレストラン」、銘醸ワインでは、世界最高峰の「ロマネ・コンティ」をはじめ、ナポレオンがこよなく愛したという「ジュヴレ・シャンベルタン」、「バベットの晩餐会」にも登場した「クロ・ド・ヴージョ」と、観光素材の逸材をあげれば枚挙の暇がない。他に地元の名産品として、コンテチーズ、ブレス鶏、シャロレ牛やマスタード、アニス・ド・フランヴィニーなど。自然愛好派にはサイクリング・ルートやハイキング・トレッキング・ルートが広がっている。

コード・ドールのクロ・ド・ヴージョの葡萄畑
©Alain_DOIRE__BFC_Tourisme

 2022年6月、新しいガストロノミー体験を世界に発信する、「ディジョン美食・ワイン国際博物館(Cité de la Gastronomie et du vin)」がオープンした。また2023年春、5月3日:マコン、5月17日:シャブリ、6月17日:ボーヌの3ヶ所に、ブルゴーニュの歴史とクリマ(葡萄畑・テロワール)をテーマにした「ワインとクリマ博物館(Cité des Climats et des Vins de Bourgogne)」がオープンする。

「ディジョン美食・ワイン国際博物館」のワインカーヴ、グランクリュを含む250種類以上のワインをグラスで味わうことができる。
©Mylène CASADO / BFC Tourisme

ボーヌの「ワインとクリマ博物館」は6月17日オープン予定。最上階はパノラマのテラスになる。
©Siz'-ix Architectes

 ブルゴーニュ・フランシュコンテ地域圏のソフィー・オリエ・ドマ局長(Sophie Ollier-Daumas)は、「RWC2023やパリ2024の開催時、パリでは宿泊費の高騰が予想されるが、このような超大型イベントの際も、域内では宿泊費をできるだけ値上げしないよう調整に取り組む方針。」と語る。またドマ氏は、「SAKIDORI FRANCE」で、5月29日から来日予定だ。

ソフィー・オリエ・ドマ局長、2022年11月アフターコロナの観光ミッションとして、ブルゴーニュ・フランシュコンテ地域圏は最も早く来日を果たす。
※訂正案内(編集部 2023年4月14日11時39分)
訂正箇所:3段落目
誤:2022年の国際収支は580億ユーロ(約2.5兆円)を計上し

正:2022年、フランスにおける国際観光収入は580億ユーロ(約2.5兆円)を計上し

お詫びして訂正いたします。