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JAL18年ぶりにボーイング新型機発注、「スマイルキャンペーン」も再開へ

  • 2023年3月27日

 日本航空(JL)代表取締役社長の赤坂祐二氏は3月23日、定例会見を行い中期計画の進捗について発表した。会見の冒頭、赤坂氏の「コロナ禍の3年間からようやく明るい状況になってきた」との発言の通り、足元では旅客数は2019年同月比で国内線は約9割、国際線は約7割まで回復を見せている。

(写真中央)代表取締役社長の赤坂祐二氏

機材戦略

 機材戦略では、2050年までのCO2排出実質ゼロを目指すカーボンニュートラルへの取り組みを重視して、省燃費低騒音でCO2排出の少ない新機材への更新を進める予定で、実際に2026年には現在運航中の小型機ボーイング737-800型機21機分を737-8型機へと変更する。737-8型機は737-800型機と比較して、燃料消費量とCO2排出量を約15%削減できる見込み。

 国際線のフラッグシップ機(777-300ER)も最新鋭のA350-1000へと更新を行い、2023年冬の羽田/ニューヨーク線に投入される予定で、CO2排出量は約25%の削減が可能だ。

 JALグループでは、2030年度に2019年対比CO2総排出量10%(約200万トン)削減という目標を掲げているが、機材更新により120万トンを、残りの80万トンをSAFの活用などで達成を目指すとした。

堅調な回復を見せる国際線、ZIPAIRも着実に成長

 国際線は2019年の夏ダイヤと比較して、中国やハワイなど回復が遅れている地域はあるものの、全体としては堅調な回復を見せている。中国からの需要動向について赤坂氏は「慎重に見ているが、急な回復に備えて準備は進めるべき」と述べた。



 コロナ禍に開業したZIPAIRについては、就航路線はソウル、バンコク、ホノルル、シンガポール、ロサンゼルス、サンノゼの計6路線まで拡大。昨年7月に単月黒字化、直近3月の搭乗率は80%を超えるなど堅調な伸びを見せている。会見で赤坂氏は「ロサンゼルスとサンノゼの西海外路線が好調で、ロサンゼルスは元々需要が大きいが、サンノゼはアメリカ在住の方々も含めて利用が多く驚いている。東南アジアや韓国への乗り継ぎが可能なので、それが好評いただいている要因ではないか」と分析した。