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公認会計士が教える会計知識vol.8 消費税とインボイス制度ーゼロベース代表 渡邊勇教氏寄稿 

  • 2021年11月1日

 公認会計士の渡邊勇教が、トラベルビジョン読者のみなさんに、ビジネスパーソンとして知っておいて頂きたい会計に関する基礎知識を連載でお伝えする本コラム。8回目のテーマは「消費税とインボイス制度」です。

そもそも消費税とはなんなのか

 消費税は、1989年に3%という税率でスタートし、1997年には5%に、2014年から8%に、そして現在の10%は2019年から導入されています。消費税は、誰が得をするというものではなく、原則、最終的にはその全額が国や地方自治体に納税される仕組みとなっています。

 消費税は、発生する要件に該当する取引にのみ、代金の支払いのときに合わせて徴収される税金です。ここで、消費税が発生する4つの要件をご紹介します。

 要件1:国内において
 要件2:事業者が事業として
 要件3:対価を得ておこなう
 要件4:資産の譲渡や貸付け、役務の提供

 言葉にすると複雑に聞こえますが、意外とシンプルです。消費者が国内のスーパーで食材を購入する場合を要件に当てはめてみましょう。

要件1:国内において日本の拠点を構えている
要件2:事業者が事業としてスーパーという事業者
要件3:対価を得ておこなうお金を払っている
要件4:資産の譲渡や貸付け、役務の提供食材という「資産の譲渡」

 上記に当てはめてみると、国内のスーパーで食材等の購入は消費税が課される取引となります。これを「課税取引」と呼ばれます。

 一方、消費税が課税されない取引には2種類が存在します。1つは、4つの要件に該当しない取引。そしてもう1つは、消費税の性格上、課税の対象にならないものや、社会政策的な配慮がなされるものが該当します。

 4要件に該当しない取引の代表例として役員や従業員へ支払われる「給料」が挙げられます。この4要件でいうところの「事業者が事業として」に該当しません。そのため、「給料」には消費税が含まれていない、ということになります。一方、個人事業主やフリーランスと呼ばれる外注先への業務の委託は、彼ら自身が「事業者」という立場になるため、その他の要件を満たす取引である限り、「課税取引」となります。

 また、消費税の性質から/社会政策的な配慮の観点から以下の取引は消費税の対象となりません。

 ●土地に関する取引
 ●有価証券に関する取引
 ●預貯金の利子や保証料、保険料などを対価とする取引
 ●切手や印紙の代金
 ●国や地方自治体の公共サービスの代金
 ●社会保険による医療サービス(自費診療を除く)
 ●学校教育
 ●居住用住宅の貸付

 言われてみるとそうかも、とうなずいていただけるのではないでしょうか。何気なく日常生活の中で取引が行われていますが、給与明細に「内、消費税」の記載はありませんし、病院を受診して消費税の請求もなかったのではないでしょうか。

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