コワーケーションドットコム

複眼で見たホテルビジネスの今ーいちご地所 代表取締役社長 細野康英氏

コロナ禍でもホテルへの投資意欲は鈍らず
ホスピタリティ・アセットマネージャー協会会長として観光産業に向けセミナーも

-新たな出店計画などはありますか。

細野 今のところ新ホテルの予定はありません。ホテルは全般的に売上が落ち込み営業利益も出ていない状況ですが、不動産としてのホテルの価格は非常に高いままです。ホテルの投資環境を見ても、ホテルリートの株価はさほど下がっていませんし、そんな状況がまだ続きそうです。

 ただし、既にオペレーションを止めていて施設に手を加えないと再開できない物件があります。不動産価格に加えて追加投資も必要で、そういった物件は我々の強みを発揮できる物件でもあるので興味があります。

-細野社長は日本ホスピタリティ・アセットマネージャー協会(HAMA-JAPAN)の会長も務めています。協会の活動について説明してください。

細野 米国に本部があるホスピタリティ・アセットマネージャー協会(HAMA)の支部です。HAMAは米国、ヨーロッパ、中東、アジア、中国、日本の6拠点を持っています。米国ではホテルビジネスは投資とオペレーションに分かれているのが当たり前で、日本でもようやく10年ほど前から同じような考え方が普及してきたという事情が支部設立の背景にあります。また、これまで投資家側の団体がなかったこともありHAMAの支部設立となりました。

 とはいえ日本にはホテルのアセットマネージャーがそれほど多くはなく当初は勉強会的な集まりでした。それがコロナ禍で参加者のマインドも変化し、狭い範囲で自分たちだけの意見を交わすのではなく範囲を広げ多くの知恵を出し合ってコロナ禍に対決していこうとなりました。直接集まることもできなかったのでオンラインセミナーを、昨年は毎月、今年は2ヶ月に1回のペースで開催してきました。HAMA-JAPANの会員はアセットマネージャーしか入会資格はありませんが、セミナーはオープンイベントとして観光産業の皆さんにも門戸を開放しました。

-中国と日本は、地域単位でなく国単位のHAMA支部があるのですね。

細野 欧米にはもともとホテル文化があり所有と経営を分ける文化もあります。しかしそれ以外の地域はそれぞれ独特のホテルの成り立ちがあります。また言語が異なるという事情もあって中国や日本には単独で支部があります。

-最後にトラベルビジョンの読者にメッセージをお願いします。

細野 HAMA-JAPANでやっているセミナーもそうですが、皆でアイデアを出し合って手を取り合って共存していきましょう。まずは乗り切っていくことが先決。お互いが戦っていかねばならない相手はオーナーでもオペレーターでも政府でもなく、敵は新型コロナです。コロナ禍前はインバウンドも盛況でした。再びインバウンドや観光を復活させるため、いまは我慢の時ですが一緒に頑張っていきましょう。

-ありがとうございました。