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ハワイの「今」を駐在員の視点から-州知事の渡航自粛要請、ロックダウン再び?

再度のロックダウンはあるのか?

 知事による旅行者への渡航自粛要請には驚かされましたが、それ以外にも副知事による夜間外出禁止令の検討や、各島レベルでの郡長による要請や規制も行われています。

 マウイ島では、旅行者に対してホテル周辺のビーチ、プール、商業施設を利用してリゾート外に出ないこと、医療施設の乏しいハナ地区への立ち入りを自粛することを要望しています。また、島民に対しても在宅勤務への移行を求めています。

 ハワイ島では、集会人数を屋内、屋外を問わず10名までに制限し、警察による取締りを強化。違反者へは250ドルの罰金を科すことが発表されています。また、全ての渡航者に再び事前検査の実施を検討しているとも報じられています。

 いずれも限界に近づいている医療資源を守る対策としての検討や実行なのですが、実際にオアフ島では、既に病室は満床で駐車場内に臨時のERを設置した病院も出てきています。また、人的リソースも限界で、米本土から派遣された看護師や専門スタッフで運営している医療施設もあると報道されています。

 再度のロックダウンの可能性については、感染者数の増加に歯止めがかからず、医療資源の枯渇が決定的になった時点で行われると予想されますが、知事も市長もロックダウンには反対の姿勢ですので、その前に様々な規制強化が行われると思われます。

週末のアラモアナ・センター。不要な人混みへの外出を避けているのか、人出も少なくなったような気がします。

 これまでの感染拡大時と異なり、ワクチン接種をしているので、ある程度の安心感を持ちながらも毎日発表される新規感染者数に恐怖する、どこか落ち着かない日々を過ごすことになっています。州民はロックダウン及び解除後のティア制度時の不自由な生活を経験しているので、再度の行動制限にもスムースに対応は出来ると思います。ただし、今度ロックダウンを行う際は、政府が州民を経済的に支える余力は残っていないだろうと思います。1日も早い感染拡大抑制を願うばかりです。

建物売却が行われ、再開しない事が確定したワイキキの免税店。別の開発業者による商業施設に生まれ変わる予定です。

本稿は、トランスオービット ハワイ マネージャーの水上直弘氏より寄稿いただいています。
※2021年9月1日(現地時間)現在の情報です。

株式会社トランスオービット
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