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カナダの「今」を駐在員の視点から-ワクチンパスポート実用化へ、観光地には他州や米国からの訪問者も

観光主要地域のワクチンとビジネス状況

ナイアガラ
 オンタリオ州は8月上旬に感染者数が減少し、レストラン、小売店、アトラクションは現在全てオープンしています。車でナイアガラを訪問する観光客が多くなり、週末は滝の周辺が混雑するようになりました。

 アメリカとの入国制限が緩和された8月9日直後の様子ですが、初日と2日目にアメリカからカナダに入る車でレインボーブリッジが渋滞していたものの、3日目は既にガラ空き。観光目的ではなく、カナダ側にいる家族との面会を希望していた人々が中心に入国をしており、制限緩和を待って初日の移動が集中したと思われます。

カナディアンロッキー
 7月29日より感染者との濃厚接触者の取り扱いが変更された後、8月16日からは感染者の自己隔離が義務ではなく強く推奨に変更され、さらに公共交通機関等でのマスク着用義務が解除されるなど、ほぼ元通りに戻ったかのようです。

 他州からの来訪者も多く、いつもの夏以上の賑わいを見せています。近隣州からの訪問者だけではなく、今後シーズンの終わりまで、アメリカからの観光客、9月からはアメリカ以外の国からの観光客の訪問も予想されます。

プリンスエドワード島
 8月9日より、プリンスエドワード島州でもアメリカからの旅行者はワクチンを規定以上接種し、入州証明に当たるPEI PASSを事前に取得していれば、自主隔離なしで入州可能となりました。しかしながら、シャーロットタウン空港、コンフェデレーションブリッジ、フェリーで入州の際、PCR検査が必要となります。2時間から3時間後までに電話がなければ、自由に島内を旅行することが可能です。

コンフェデレーションブリッジのPCR検査場

 既にカナダ国内在住の日本人をはじめとして、プリンスエドワード島に観光目的で訪問する旅行客も増え、少しずつ島の中も活気を取り戻しています。

シャーロットタウンの街中の様子。2021年と言われなければ通常の光景に見える。

 街中でも「見るからに観光客」という方々も多くなってきて、車のナンバープレートもアトランティックカナダのみならず、オンタリオやケベック、アメリカのマサチューセッツなどのプレートも見うけられ、普通の夏のプリンスエドワード島らしい雰囲気です。 レストランも賑わっており、テーブルの着席人数や収容人数などの規制もなくなりました。

 8月13日から8月21日はプリンスエドワード島で一番大きな年次のお祭り、オールド・ホーム・ウィークが規制付きで開催されます。2019年までのような農業博覧会はないものの、子どもたちのための馬車やポニーライド、ミニコンサートなどが行われます。また島民が楽しみにしているパレードも小規模ではありますが、2箇所に分かれ、ダウンタウンだけではなく住宅地をめぐり、観客が家から見られるようにして行われます。

 また9月のシェルフィッシュフェスティバルも開催が決定。9月中旬から10月上旬のフォールフレイバーのイベントも開催予定です。

 グリーンゲイブルズハウスも、観光客が少しずつ戻ってきており、北海岸のビーチでもたくさんの人が日光浴、海水浴を楽しんでいました。

グリーンゲイブルズハウス。やはり観光名所は人が映り込んでいる方が生き生きして見える。

日光浴を楽しむ。太陽とのコントラストがきれいなプリンスエドワード島の夏。

 7月末からシャーロットタウン空港への乗り入れ便が増え、エアカナダのトロント便、モントリオール便に加え、ウェストジェットのトロント便、カルガリー便、また新しくフレアとPALというローカル航空会社が、トロントやハリファックスなどからの便を運航しています。昨年は1日1便、週末は運航便なしとかなり寂しい状況でしたが、最近は1日7便から8便飛んでいるので、活気が出てきてホッとしています。

 このまま感染のコントロールは続くと思われますので、秋以降の観光客も増えていくことでしょう。少しずつ経済活動も活発になり、2022年の観光シーズンはコロナ前の状況に近くなっていくことが期待されています。

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