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【コラム】ワクチン接種者の行動制限は今後どのように解除されるのか

  • 2021年7月11日

 私事ですが、運良く大規模接種会場での予約が取れ、先週金曜日に1回目のワクチンを接種致しました。計算され尽くした導線、丁寧で的確な誘導や指示、本当に素晴らしいの一言です。自衛隊及び関係者の皆さま、ありがとうございます、深く感謝申し上げます。

 沢山の方の努力によりワクチン接種は進んでいますが、この後の各種制限解除に関するロードマップが見えてきません。これまでの政府や有識者の発言から「ワクチンが唯一の解決策」「ワクチン接種さえ進めば日常を取り戻せる」というニュアンスで受け取っていたのは私だけでは無いでしょう。

ワクチン接種済みの人は旅行に行っても、外食しても良いのですよね?
海外からの帰国に際しての隔離は不要になるのですよね?

 ワクチンを打ちたくても打てない方が居られることも承知していますし、自らの意志で接種しないという判断も尊重します。しかし、我々観光産業や飲食業は「ワクチン」だけを拠り所に既に1年半、ほぼ休眠=出血を続けており、これ以上は持ちこたえられません。

 そもそもワクチン接種者にも行動制限を求め続けるとしたら、出口は何処に有るのでしょう。集団免疫の基準は全国民の6割超のワクチン接種という話が聞こえてきますが、現段階でワクチン接種完了者の割合が6割を超えている国は無く、5割に近づくと接種率はなかなか上がらないのが各国の現状かと思います。

 仮に政府が接種率6割に達するまで制限を撤廃しないなら、要するに制限解除は何時になるのか全く分からない、最悪まだ半年から1年続く可能性が有ると言うことに他ならないと思います。

 JATAが政府に海外旅行再開のロードマップ策定を要請していますが、ワクチン接種者の行動制限解除の動向に関しても、我々は注視すると共に声を上げていく必要があります。

岡田直樹
㈱エフネス代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人。27歳でエフネスの前身㈱ルゥエストを創業し、31周年にあたる今年に至る。旅行素材のホールセール、観光関連企業への決済サービス提供、緊急対応代行、業界誌トラベルビジョン運営等々、主に観光産業内のB2B事業に携わる。
㈱ティ・エス・ディ代表取締役、一般社団法人インバウンドデジタルマーケティング協議会理事、㈱ミックナイン社外取締役​