需要回復に向け、旅行への不安を払拭するサービスを
-日本航空 レベニューマネジメント推進部 畝川直之氏

  • 2021年5月10日

移動に新たな付加価値
組織改正で旅行会社との連携強化も

-今年4月に組織改正を実施されましたが、新組織の狙いや、ポストコロナに向けて今後力を入れていくポイントをお聞かせください。

畝川 コロナ収束後にはマーケットの在り方も大きく変わっていくと思います。旅も新しい形になっていくでしょう。私たちもお客さまの趣向や社会のトレンドを少しでも先取りしてチャレンジできる組織にしていかなければなりません。旅行会社の皆さまとともに考え、変えていく必要があると思っています。

 販売部門に関して申し上げますと、今回の組織再編によってレベニューマネジメント、ディストリビューション、セールス、プロモーション、カスタマーサポート、ペイメントといった一連の機能が集約されました。特にレベニューマネジメントとセールス周りを統合することで、お客さまやマーケットの声に迅速に寄り添える体制を構築していきたいという考えが根底にあります。

 レベニューマネジメントとセールスが近づいたことで、今まで以上に連携を強めることができ、旅行会社の皆さまとのやり取りもスムーズになると考えています。

-ポストコロナでは航空券の単価は上がるのではないかという見方もあります。

畝川 業務出張については、やはりしばらくは頻度が減り、1回あたりの滞在期間が長くなると想定されます。出張での航空需要はこれまでよりも減少することになるでしょう。かといって、そこで単純に単価を上げることは消費者にも受け入れられ難いと思いますので、何らかの付加価値を提供することが必要です。

 価格競争に陥りがちな業界における価値の提供の仕方も、コロナでシフトチェンジしていくことになると思います。いかにサービスで付加価値を付けて選んでいただくかが今後の課題ですね。

-トラベルビジョン読者である観光産業従事者へのメッセージをお願いいたします。

畝川 JALの強みの一つとして、長年旅行会社の皆さまと向き合ってマーケットを作ってきたことがあると考えています。観光産業を盛り上げていくことは1社だけではできません。過去を踏襲するのではなく、ともに先を見て、お客さまが望む新しいビジネスモデルを探っていきたいと思います。現在はまだ人の流動が少ない状態です。来るべき時に備えて、今のうちに一緒に知恵を絞りましょう。

-ありがとうございました。