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コロナ禍中に宿泊者数・客室稼働率とも前年超え、「那須塩原の奇跡」―塩原温泉 常盤ホテル支配人 冨岡紳郎氏

目指すのはコスパのいい宿
ITを上手に取り入れながら、この規模感でできることをやっていく

-コロナの影響がなかった2019年と比較すると2020年の宿泊者数はどのくらい落ち込みましたか。

冨岡 逆に多くなっていますね。

-え! 多くなっている!? それはなぜですか?
常盤ホテル外観

冨岡 推測ですけれども、この周辺の大きなホテルがコロナの影響で休業したり廃業したりしているので、そちらのお客様が流れてきているのではないかと考えています。また、私どもは最初の緊急事態宣言が出されたゴールデンウイークに一度休業しただけで、その後は継続的に営業を行ってきましたので、その影響もあると思います。

 そのほかには、ここ1年程は、良いレビューを書いていただいているのでその影響も少なくないと思います。私どもは客室数20、従業員13名の小さなホテルなので、格好いいサービスなんてできないんです。その代わりにアットホームなサービスの提供を心がけています。

-客室単価もコロナ前とコロナ後では変わらないのでしょうか。

冨岡 あまり変わっていません。常磐ホテルが目指しているのは「コスパのいいホテル」です。建物はリノベーションしましたが、築50年程の古い建物で露天風呂が1カ所、内風呂が2カ所、そのうちの一つは小さい、とあまり武器がないんですね。そこで何ができるかというと先ほど申し上げたアットホームな接客です。

 そのほかの強みとしては、現在の料理長が元・なだ万レストランの副料理長を任されていた者で、腕が良いことがあります。趣向を凝らした料理を出したり、メイン以外の料理を毎月変えたりと工夫しているため、おかげさまで好評をいただいています。

-現在の客室稼働率はどのくらいでしょうか。また、価格設定を拝見すると平日と週末の価格差が小さいですが、これも1つの戦略なのでしょうか。

冨岡 この1年の稼働率は76%から78%です。価格については本社で設定しています。本社はIT企業なので観光産業の経験はありませんでしたが、逆にそれが良かったのではないかと思います。正直、価格は上げていきたいですけども、そこまでの知名度はまだないと考えているので、価格に関して欲を出していません。本社では価格のほかに、Webでの見せ方等も対応しています。

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